香港ジョッキークラブが豪州で活躍中のD.ユースタス調教師に2024/2025シーズンの調教ライセンスを付与するとともに、調教師の勇退年齢に関する規約改訂の発表を行った。

　ユースタス師は英国出身の32歳。父のジェームズ師はニューマーケットで30年余りにわたって厩舎を運営し、現在は兄のハリー師が引き継いでいる。また、母方のおじであるD.オートン調教師は1987年から2006年まで香港で活躍し、プレシジョンやケープオブグッドホープなどを育てた調教師ファミリーの出身という背景がある。

　香港JCは公式サイトにユースタス師のインタビューを掲載しており、それによると父のジェームズ師が2009年の香港スプリントにウォーアーティストを出走させる際に帯同し、2014年にはR.ヴェリアン調教師のファラージが香港カップに出走後、豪州へ移籍するための引継ぎに携わった経験もあるという。2014年はレース後に2週間ほど香港に残り、C.ファウンズ調教師らとも既知の関係と話している。

　その後、ユースタス師は豪州のP.ムーディー調教師、P＆P.スノーデン調教師の下で働き、2018年8月からはC.マー調教師とともに厩舎を運営。2022年のメルボルンカップ（ゴールドトリップ）などG1レース30勝をはじめ通算1500勝以上を記録し、昨シーズンはメトロやカントリーなど合計347勝を挙げて首位、今季も首位を走っている。

　ユースタス師は移籍について難しい決断だったとする一方で「香港に調教師として招かれ非常に光栄に思う。限られた場所で激しい競争があり、私を奮い立たせる。私のような年齢で行けるのは稀な例だと思うし、長く活躍できればと願っている」「馬の調教や長くキャリアを続けるためのスポーツサイエンスやデータを重視して、英国や豪州での経験とともに多彩な調教スタイルを香港に持ち込みたい」と抱負を語っている。

　また、香港JCは調教師の勇退年齢を従来の65歳から66歳に引き上げることを決定。所定の条件を満たした場合は70歳まで延長可能とする規約の改訂も発表した。