南アフリカの競馬界に朗報、EUが13年ぶりに馬の輸出規制を解除
2024年03月27日 12:10
EU(欧州連合)が現地25日に南アフリカに対する馬の輸出規制を13年ぶりに解除し、英競馬メディア『racingpost.com』が競馬界に大きな後押しと報じた。
南アフリカでは2011年にアフリカ馬疫(アフリカンホースシックネス)という家畜伝染病が大流行。それを機にEUをはじめとする世界各地から馬の移動を禁じられる事態となり、南アフリカの競馬は孤立する形となっていた。
南アを代表するM.デコック調教師も国際舞台から締め出される形になるなど大きな影響を受けた一人で、かつてはドバイワールドカップ開催に多くの管理馬を送り込んで成功を収め、2009年にはジェイジェイザジェットプレーンを英国に滞在させて勝利を挙げたこともある。しかし、規制によりモーリシャスでの長期検疫を要する状況となったため、海外遠征の機会を事実上失い、2014年のロイヤルアスコット開催を最後に英国にも管理馬を送っていない。
また、現役馬の移動だけでなく、規制はシャドウェルのような有力バイヤーを抱えていた南アの馬産業にも致命的な影響を与えた。EUの規制に対し長年にわたって交渉を行ってきた南ア担当部門のD.アベリー会長は「EUへの直接輸出の解禁は南アフリカの競馬や馬産だけでなく、長らく国際的に孤立してきた馬術などにとっても極めて大きな後押しとなる」と歓迎の意向を示している。