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菊花賞馬ドゥレッツァが今日渡英…英インターナショナルS制覇、そして、ジャパンC制覇へいざ!

2024年08月02日 18:56

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 大牧場の新戦略だ。昨年の菊花賞馬ドゥレッツァ(牡4、尾関)が2日、英インターナショナルS(G1、芝2050メートル、21日=ヨーク競馬場)参戦に向けて渡英する。日本の秋G1につなげるための海外挑戦。福島県のノーザンファーム天栄で夏休みと出国検疫を終え、上り調子で競馬の母国に乗り込む。

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 7月24日、菊花賞馬ドゥレッツァがノーザンファーム天栄の敷地内にある、隔離された輸出検疫厩舎に入厩した。同牧場が16年に完成させた海外遠征への起点。トレセンを経由せず、放牧地での調整後、ダイレクトに出国が可能となっている。19年凱旋門賞に出走したフィエールマン、ブラストワンピースなど、同牧場が母体の一口クラブ馬をはじめ、多くの馬がここから海を渡った。

 ドゥレッツァは今回が初の海外挑戦。遠征の意図ははっきりしている。ノーザンファーム天栄の木実谷雄太場長は「夏場の日本はすごく暑いですし、この時期にこのクラスの馬が走るとなると、選択肢が札幌記念くらいしかありません。近年の札幌記念は馬場が悪くなる傾向で、暑さの中で調整していかねばなりませんから。イギリスにはいい調教施設もあります。気候的なもの、トレーニング効果も含めての遠征ですね。ヨーク競馬場のコースレイアウトだったり、この時期の天気の傾向も考慮しています」と参戦経緯を説明した。暑さと舞台設定。2点を鑑みて、復帰戦を英国の地に定めた。

 英インターナショナルSは72年に創設され、12年優勝馬フランケルなど歴戦の実力馬たちが名をはせた一戦。これまでに日本馬は05年首差2着のゼンノロブロイ、19年8着のシュヴァルグランが出走している。その後、前者は天皇賞・秋に出走し、後者はジャパンCへ。ドゥレッツァも9月上旬には同牧場へ戻ってこられることから、時期的に秋の国内G1戦線へもローテは組みやすい。仮に勝利を収めると、今秋のジャパンCに出走した際は褒賞金(1着なら200万ドル=約3億円、2着80万ドル、3着50万ドル、4着以下は10万ドル=約1500万円)の対象となる金銭的メリットも生まれる。

 もちろん渡英へのゴーサインは調子の良さを伴ってのものだ。前走の天皇賞・春は15着。好位を進んだが、4角では早々に勝負圏内から脱落していた。木実谷場長は「状態面は天皇賞・春の後は心配しましたが、菊花賞の後のようなダメージもなく、むしろ状態も上向いてきました。今年に入って良くなったというか、馬が去年のいい頃に近づいてきました」と復調を認める。

 31日には同牧場の敷地内で最終追い切りを消化し、いよいよ旅立ちの日を迎えた。木実谷場長も「もともと2000メートルでも走っていた馬ですし、距離に関しては全然心配していません。どちらかといえば、いい状態で臨めるかどうか。そこが一番だと思います」と送り出す。結果次第ではノーザンファームの、そして日本馬の番組選択肢が広がりそうな今回の挑戦。菊花賞馬が競馬の母国に、日の丸を掲げにいく。【松田直樹】

出典:日刊スポーツ