レジェンド騎手のキネーン氏、ロマンチックウォリアーのサウジC挑戦を支持
2025年02月19日 12:23

サウジカップでキャリア初のダート戦に挑むロマンチックウォリアー。その対応力が勝負の行方を左右する存在だけに大きな注目を集めているが、香港ジョッキークラブの公式サイトでは世界的名騎手として鳴らしたM.キネーン氏の証言を交えて展望している。
香港JCは日本や豪州、前走のドバイなど海外遠征を成功させてきたロマンチックウォリアーの歩みを振り返りつつ、世界最高賞金レースを勝つという大胆なプランは、青々とした芝から過酷な褐色のダートへの転換を含んでいると表現。J.マクドナルド騎手から長所と短所も様々に聞き入れて挑戦を決断したC.シャム調教師の「それ(ダート)をこなせる自信は密かにある」というコメントを紹介している。
また、A.オブライエン調教師は昨年にシティオブトロイでブリーダーズカップクラシックに失敗し、ガリレオやソーユーシンクら芝の超一流馬でも結果を出せなかったが、BCクラシックでティズナウと接戦を演じたジャイアンツコーズウェイやS.ビン・スルール調教師のサキーの例があることも引用。ドバイワールドカップの創設当初に活躍したシングスピールやスウェイン、ブリッシュラックら芝の一流馬を列挙し、キネーン氏はそうした黄金期を支えた一人としている。
香港JCはキネーン氏が現役時代にジャイアンツコーズウェイやスウェインに騎乗してダートG1制覇に近づき、2019年には香港JCの代理人としてロマンチックウォリアーの購買に携わったことを紹介。そのキネーン氏は、速いペースに耐える能力と勝負根性を強いダート馬の条件とし、ロマンチックウォリアーをゲートが速くて勝利に飢えた稀な資質を備える馬と評価している。
キングアブドゥルアジーズ競馬場のダートでも騎乗経験があるキネーン氏は「アメリカやドバイでスタートを失敗すると、キックバックの塊に襲われることがよくあるが、サウジはさほど厳しくなく、負担になることもない」「ロマンチックウォリアーが上手に走れるダートがあるなら、これかもしれない」「今回は新境地を開くテストになるが、彼はすでに驚異的なワールドツアーを行ってきたし、もし遠征しないなら驚きだったよ」と参戦は当然との思いを明かした。
香港JCは初ダートでサウジCを勝った馬は存在せず、ロマンチックウォリアーの母系はダートの影響力もある一方、父アクラメーションは概して芝の傾向が強いことなど課題にも率直に触れつつ、最後は「生涯に一度なら、やってみるべきだろう」というオーナーのP.ラウ氏の言葉で結んでいる。