G1昇格のヴィコンテッスヴィジエ賞、カンデラリが新長距離王候補に名乗り
2025年05月27日 13:55

現地25日、今年からG1に昇格したヴィコンテッスヴィジエ賞(芝3100m)が仏パリロンシャン競馬場で行われ、C.ルクーヴル騎乗のカンデラリが圧勝した。
レースはダブルメジャーやセヴェナズナイトらが先行し、カンデラリは中段、ドバイフューチャーやトゥルーシャンが後方といった隊列に。各馬の位置取りに大きな変化はなく流れて終盤に入ると、カンデラリはフォルスストレートで先行勢と後方から上がってきた馬たちに包まれる苦しい展開を強いられる。
しかし直線入り口で前が開くとルクーヴル騎手がそれを逃さず進路を確保。残り300メートルを切ったところで先頭に立ち、そのまま後続を突き放して2着のセヴェナズナイトに3馬身半差の快勝を収めた。
3着はさらにアタマ差でプレサージュノクチューン。元長距離王の9歳馬トゥルーシャンは4着、ダイワメジャー産駒で昨秋に仏G1ロワイヤルオーク賞を勝ったダブルメジャーは5着、4月にG2ドバイゴールドカップを制したドバイフューチャーは直線の途中で追うのをやめて先頭から30馬身近く離れた最下位(9着)で入線した。
F.グラファール厩舎のカンデラリはフランケル産駒の4歳セン馬でアガ・カーンスタッドの所有馬。昨年末と遅めのデビューから3連勝し、前走の仏G3バルブヴィル賞こそ3着と初黒星を喫したが、G1初挑戦で初代王者に輝いた。この勝利を受け、大手ブックメーカー『パディパワー』はロイヤルアスコット開催でのG1英ゴールドカップでのオッズを26倍から7倍までカットしている。
グラファール調教師は『スカイスポーツ・レーシング』に対し、「今日は強力なライバルたちとの厳しい試練となったが、計画どおりになった。彼は素晴らしい馬だ。レースも出走頭数と質の両面から見て、正真正銘の超長距離G1だった。ここでの見事な勝利は将来に向けてとても明るい材料となる」とコメント。
今後については「良馬場、高速馬場の方が得意なので選択肢は豊富」とし、英ゴールドカップの距離(20ハロン)は問題ないがまだ若く学習中だと話しつつ、参戦に前向きな姿勢を見せていた。