僚友たちの影に隠れていたランボーン、英ダービーでスポットライトを奪う
2025年06月08日 06:33

第246回英ダービー(3歳、セン馬不可、芝12ハロン)が現地7日にエプソム競馬場で行われ、W.ローダン騎乗の3番人気ランボーンがゲートを決めてハナを主張すると、道中3番手から追いすがるレイジーグリフ(12番人気タイ)につけ入る隙を与えず3馬身3/4差で逃げ切った。
ランボーンはゲートを出るとローダン騎手に促されてハナに立ち、3馬身余り後ろのラチ沿いにレイジーグリフ、その外に追加登録で挑んだ5番人気ミダクが並走。中団馬群の外で2番人気プライドオブアラス、4番人気ザライオンインウィンターの順に縦列し、さらに3馬身ほど離れた後方3番手に1番人気のドラクロワで中間点を通過した。
2番手追走が単勝126倍の17番人気シースカウトということもあり、楽な手応えで逃げるランボーンは勝負所のタッテナムコーナーから徐々にリードを広げると、坂下で後続を一度引きつけてからスパート。追撃態勢に入っていたレイジーグリフが食い下がるも3馬身ほどの差は一向に詰まらず、ランボーンがセイフティリードを守り切った。
ドラクロワの直前から内ラチ沿いに潜り込んだ8番人気のテネシースタッドがさらに1馬身差の3着争いを制し、ドラクロワは最後の坂の上りで脚が止まり9着に完敗。プライドオブアラス(17着)とザライオンインウィンター(14着)は直線で後れを取る一方となった。なお、英2000ギニーからの二冠が懸かっていたルーリングコートは、重くなった馬場状態を理由に直前で出走回避した。
ランボーンはA.オブライエン調教師が管理するオーストラリア(父ガリレオ)産駒で、昨年7月のデビューから8月のリステッドと2連勝。その後は9月のG2ベレスフォードステークスでホタズヘル、明け3歳初戦のG3バリーサックスステークスではドラクロワに敗れるも、前走のG3チェスターヴァーズでレイジーグリフを差し切って重賞初制覇とし、この英ダービーに駒を進めていた。
英ダービー3連覇で通算11勝目としたオブライエン師は、英競馬メディア『racingtv.com』のインタビューに「ウェイン(ローダン騎手)が信じられないような騎乗をしてくれた。彼は極めて勤勉な素晴らしい仲間だからうれしいよ」と殊勲のローダン騎手を祝福。そしてオーストラリア、その父ガリレオと手がけた馬での三代ダービー制覇を喜ぶと「彼は愛ダービー向きの馬だと思うが、もっと距離ももつだろう。彼は凄く素直だからね」と、英セントレジャーを見据えるような発言もしている。
なお、惨敗に終わった他の2頭についてオブライエン師は「ライアン(ムーア騎手=ドラクロワ)は中盤を過ぎたところで位置を取られてチャンスがなかったと言っていた。コリン(キーン騎手)はザライオンインウィンターが進んでいかなかったから馬場かコースだろうと言っていた」と敗因に触れている。