【QE2世ジュビリーC】勝ったラザット陣営「日本馬に勝つのは難しい。サトノレーヴは怪物だ」
2025年06月23日 13:30

<クイーンエリザベス2世ジュビリーC>◇21日=アスコット(英国)◇G1◇芝直線1200メートル◇4歳上◇出走14頭
英国王室主催の「ロイヤルアスコット開催」最終日、日本調教馬の初勝利という歴史的な快挙に挑んだサトノレーヴ(牡6、堀)は惜しくも2着に敗れた。勝ったのはフランス調教馬のラザット(セン4、J・レニエ)。勝ちタイムは1分11秒30だった。
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フランスの快速馬ラザットがサトノレーヴの前に立ちはだかった。昨年はデビューから無傷の6連勝でG1モーリスドゲスト賞を制した素質馬。初めて1200メートルに挑んだ前走シャンティイ競馬場のセルヴァンヌ賞(リステッド)を2着に5馬身半差で圧勝し、今回も1200メートルでその韋駄天ぶりを見せつける結果になった。
管理するジェロム・レニエ調教師は「サトノレーヴの猛追は厳しかったですが、接近してきたときにラザットはもうひと踏ん張りしました。今日は絶対に抜かせない、と言うように。(次走は)ジュライCまでは間隔が短いので、モーリスドゲスト賞の連覇を狙うかもしれません。10月にここ(英チャンピオンズスプリントS)に来ることもできるでしょう。彼は馬場が重くても大丈夫。本当に優秀なチャンピオンです」とコメント。テン乗りで勝利に導いたジェームズ・ドイル騎手は「勝てたのはレニエ師と厩舎のおかげだし、以前騎乗していたオラーニ騎手が競馬を教えてくれたおかげです。レニエ師は『彼は止まらないからハナにいっても大丈夫』と言っていました。今週(ロイヤルアスコット開催)、私が頼りにしている馬でした。数週間前に騎乗が決まったばかりで勝たせてもらって、申し訳なく思いますが、チームのみんなに感謝しています。本当にありがとうございます」と勝利の味をかみしめた。
前走後にラザットを購入した馬主「ワスナンレーシング」のリチャード・ブラウン氏は「素晴らしいレースでした。幸運にも勝利をつかむことができました。この馬を生産し、私たちに売ってくれたビザコフ氏には心から感謝しています」と喜びを語り、「日本馬に勝つのは難しいんです。彼らはワールドクラスの生産を行っています。サトノレーヴが(パレードリングに)入ってきたとき、怪物が周回しているようでした」と激闘を演じたライバルを称賛した。