ルーカス調教師が死去、米競馬産業の発展に多大な貢献
2025年06月30日 13:05

先日に重病のため調教師からの引退が家族から発表されていたD.ルーカス氏が現地28日、米ケンタッキー州で死去した。89歳だった。
ルーカス師はクオーターホース時代を含めて60年近く調教師を務め、サラブレッドだけで通算4967勝(重賞は637勝)。ケンタッキーダービー4勝など三冠レースを歴代2位の15勝、ブリーダーズカップの各レースを最多タイの20勝したほか、米競馬年度顕彰のエクリプス賞の受賞馬を26頭育成し、そのうち3頭が年度代表馬に選出された。自身もエクリプス賞の最優秀調教師に4回選出され、賞金王には14回輝いた。
主な管理馬は年度代表馬に輝いたレディーズシークレット、クリミナルタイプ、カリズマティックのほか、ケンタッキーダービー馬のウイニングカラーズ、サンダーガルチ、グラインドストーンなど。最後の三冠レース勝ち馬は昨年のプリークネスステークスを制したシーズザグレイだった。
同師の遺族は「ウェイン(ルーカス師)は馬だけでなく、競馬産業の育成にも人生を捧げてきました。何世代にもわたるホースマンとホースウーマンを育て、何も知らないファンをウイニングサークルに招き入れることで競馬というスポーツを発展させました」との声明を発表。
さらに「2歳未勝利馬が次のケンタッキーダービー馬になると自慢するときも、大レースの前に静かに助言するときも、ウェインは情熱と優雅さ、そして勇気をもたらしました」「全国の競馬場、尊敬するライバル、そして『ルーカス』の名前がプログラムにある時は欠かさず見守ってくれたファンの皆様など、競馬界のあらゆる方面から寄せられた惜しみない愛と祈り、そしてご支援に深く感謝いたします」とした。
ルーカス師の弟子のひとりで、自身も競馬殿堂入りを果たしたT.プレッチャー調教師は「幸運にも彼の下で働くことができた私たち全員にとって、これまで成し遂げてきたことは全てウェインから学んだこと、彼の組織運営法の賜物だと思う」「彼のアシスタントを務められたことは、独立して調教師になりたいと思っていた人にとって最高の栄誉だった」と米競馬メディア『Daily Racing Form』に語っている。