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ジョッキークラブGCは落馬事故で波乱の結末、伏兵アンティクアリアンが制す

2025年09月01日 14:50

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 現地31日、米サラトガ競馬場でG1ジョッキークラブゴールドカップ(ダート10ハロン)が行われたが、スタート直後に複数の馬が影響を受ける落馬事故が発生する波乱の結果となった。

 各馬がゲートを出た直後、8頭立ての7番枠だったフィリアスフォッグが急激に内側へ斜行。これに押圧された内の各馬が玉突き状態となり、ホワイトアバリオ(5番枠)のJ.ザヤス騎手は大きくバランスを崩したもののかろうじて持ちこたえたが、2番人気のマインドフレーム(4番枠)に騎乗していたI.オルティスJr.騎手が落馬。同騎手を避けようとした1番人気のシエラレオーネ(3番枠)は最後方からとなってしまう。

 レースはシエラレオーネのペースメーカー役であるコントラリーシンキングが単騎の大逃げを打ち、2番手以下も縦長の展開に。差が詰まりだした第4コーナー手前でフィリアスフォッグが先頭に立って直線に入る。

 すると中段から3番手まで上がっていたアンティクアリアンがじわじわと追い上げていき、ゴール前できっちりと差し切り勝ち。落馬事故による不利に加えてコーナーで大外を回らされたシエラレオーネは直線で強烈な末脚を繰り出したものの、1馬身半差の2着までだった。

 さらに1馬身1/4差の3位にはフィリアスフォッグが入線したものの、レース後に最下位の7着へ降着の裁定。昨年の勝ち馬ハイランドフォールズが3着に繰り上がり、ホワイトアバリオは4着に終わった。

 T.プレッチャー厩舎のアンティクアリアンはプリザベーショニスト産駒の4歳馬。昨年はG3ピーターパンステークス勝ち後にクラシック最終戦のG1ベルモントステークスで5着。今年は重賞で2戦連続2着と惜しいレースが続いていたが、思わぬ形でのG1初制覇となった。

 米競馬メディア『bloodhorse.com』によると、勝ったアンティクアリアンと落馬後も放馬して走り続けたマインドフレームの両馬を管理するプレッチャー調教師は「複雑な気持ちだ。こんなことは見たくないからね」とコメント。それでも「アンティクアリアンが正当な評価を得られて本当によかった」と勝ち馬をたたえ、マインドフレームについては大丈夫そうだとしつつ「明日に詳しく検査するつもり」と語った。