凱旋門賞にセン馬の出走認める案に現地記者「枠順の有利不利が結果を左右しやすいので魅力が…」

2026年06月25日 13:43

 凱旋門賞にセン馬の出走を認める案がフランスギャロの理事会で承認され、早ければ来年(27年)秋の凱旋門賞からセン馬の出走が可能になることについて、欧州ではさまざまな論争が起きている。レーシングポスト電子版では23日、同紙の記者2名の意見を掲載している。

 セン馬の出走を認める案に賛成のマディ・プレイル記者はその理由について、「凱旋門賞は種牡馬としての価値を高めるためのレース(種牡馬をつくる競走)ではありませんでした。その役割を担うのはクラシック競走です。凱旋門賞は輝かしい歴史を誇りますが、世界最高峰の中距離戦としての名声を維持しようと真剣に考えるのならば、トップクラスの競走馬の一部が出走を排除されている現状は不公平に思います。他の国や地域では、セン馬がこのスポーツにおいて重要な役割を果たすことを長年認めています。近年で言えば、シリュスデゼーグル、ゴリアット、カランダガンといった馬たちが出走していれば、出走馬の層はより厚くなり、レースの興味深さも増したはずです。そして、彼らを打ち負かすことのできる牡馬や牝馬こそが、真に一流であると証明されたことでしょう。セン馬は現役生活が長いことで知られ、熱心なファンができることもあります。つまり、10月のパリロンシャン競馬場において大きな集客の目玉となるはずです。(セン馬の出走を)試してみる価値は十分にありますし、もしうまくいかなければ、ルールを調整したり、あるいは元に戻したりすることも可能です。結局のところ、エリートレベルの競馬とは、最強馬同士が激突する場であるべきなのです」とセン馬の出走を認めることで、凱旋門賞の魅力が増すという意見を伝えている。

 一方、日本競馬の知識も豊富なことで知られるフランス在住のスコット・バートン記者は変更案に反対で、いくつかの理由、懸念材料を挙げている。

 まず、凱旋門賞は21年に「ロンジン・ワールドベストレース」に選出されており、その後も22年が3位、23年が3位、24年が5位、25年が6位で、レースの評価が危機的な状況にあるわけではないことを理由に挙げた。

 続けて、凱旋門賞は権威と歴史があり、高額な賞金であるため、欧州競馬では唯一無二の存在であることを挙げた。セン馬(種牡馬入りが見込めない馬)を所有するオーナー、管理する調教師の多くは、高額な賞金が魅力であるため、凱旋門賞に挑戦し、そのことが2つの事態を招くとしている。

 バートン記者は「ひとつは出走頭数がほとんどの年で、フルゲートの24頭近くになることです。そうなれば、枠順の有利不利が結果を左右しやすいパリロンシャン競馬場での開催は、最高レベルの牡馬を所有する馬主や調教師にとって、魅力が薄れるかもしれません。もうひとつは牝馬、特に3歳牝馬に悪い影響が出ます。2022年にオーストラリアから参戦予定だった(牝馬の)ベリーエレガントが出走のためのレーティングが足りず、議論を呼びましたが、その陰で、仏オークス2着の3歳牝馬が出走枠に入れなかった事実がありました。カランダガンやロマンチックウォリアーのような馬ではなく、格の劣るセン馬であふれるようなことになれば(3歳牝馬が出走できない)事態が起こる可能性はどれだけでしょう。今日の形の凱旋門賞はさまざまな試練に耐えてきた歴史があります。現在の才能あるセン馬の急増は、それとは対照的に一時的な現象に過ぎないと思われます」と見解を述べている。

出典:日刊スポーツ