日本馬挑戦の歴史
2014年にアドマイヤラクティが優勝、日本調教馬が大活躍
2005年のアイポッパーをきっかけに、これまでコーフィールドカップには7頭の日本調教馬が参戦。過半数に迫る3頭が3着以内と優秀な成績を収めている。
先鋒を務めたアイポッパーはコーフィールドカップだけでなく、オーストラリアG1に遠征した初の日本調教馬という、まさに開拓者だった。その時点でのアイポッパーは阪神大賞典2着、天皇賞・春3着の実績こそあったものの重賞未勝利。コーフィールドカップは天皇賞・春から5か月半ぶりで、現地でも単勝41倍とノーマークの存在に過ぎなかった。
しかし、レースでは煽り気味のスタートから素早くポジションを回復すると、中団馬群の外からスムーズに進出。直線では2年前の優勝馬マミファイと叩き合いを演じる。そして、ゴールまであと数完歩に迫って相手をねじ伏せたが、大外からレイリングスが急襲。わずかに0.2馬身差で惜しくも勝利をさらわれた。
重賞勝ちのないアイポッパーが勝利へあと一歩と迫ったことは日本馬を勇気づけ、翌年には菊花賞馬デルタブルースと僚馬ポップロックが遠征。デルタブルースは直前の天皇賞・春10着にトップハンデ56kgも重なり実に単勝81倍、直前の目黒記念でアイポッパーを抑えて重賞初制覇を飾っていたポップロックは13倍の評価だったが、レースでは日本調教馬の意地を見せた。
外目の枠から気合いをつけられて中団馬群の外に取りついたのはデルタブルース。まるで前年のアイポッパーを再現するかのように直線へ向かうと、横一線の叩き合いに加わった。内を立ち回った2頭に及ばず3着に敗れたものの、勝ち馬とは0.6馬身差。スタート直後に押し込められ、直線でも満足に追えなかったポップロックも、先頭から1馬身半圏内の7着でゴールした。負けてなお強しの内容を残した両雄は、次戦のメルボルンCでワンツーフィニッシュの歴史的快挙をやってのけることになる。
その後、2010年に挑戦したトウカイトリックは、長距離戦での実績こそ豊富だったものの遠征時点で8歳の高齢。18頭立ての外から2番目と枠順にも恵まれず、早めの追撃も及ばず12着に大敗したが、さらに4年後に待望の瞬間が訪れる。
2014年に遠征したアドマイヤラクティは直前の天皇賞・春で13着、重賞もG3ダイヤモンドSで1勝しただけと、G1とG2を各1勝のデルタブルースと比較して格下だった。それでもトップハンデ58kgで単勝は11倍。日本調教馬の評価が高まっていることを表していた。
アドマイヤラクティは発馬でやや遅れ、後方集団からの追走。最終コーナーでは外を回るロスの大きいレースを強いられた。それでも、好位のラチ沿いから抜け出したライジングロマンスをゴール寸前で差し切り1着。日本に大きな勝利をもたらしたのだった。
年 | 馬名 | 性齢 | 着順 | 騎手 | 調教師 |
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2015 | フェイムゲーム | 牡5 | 6 | Z.パートン | 宗像 義忠 |
ホッコーブレーヴ | 牡7 | 10 | C.ウィリアムズ | 松永 康利 | |
2014 | アドマイヤラクティ | 牡6 | 1 | Z.パートン | 梅田 智之 |
2010 | トウカイトリック | 牡8 | 12 | 藤田 伸二 | 野中 賢二 |
2006 | デルタブルース | 牡5 | 3 | N.ローウィラー | 角居 勝彦 |
ポップロック | 牡5 | 7 | D.オリヴァー | 角居 勝彦 | |
2005 | アイポッパー | 牡5 | 2 | 藤田 伸二 | 清水 出美 |