沿革
ドンカスターマイル(G1)
2019年4月6日(土)17:15(日本時間 15:15)
オーストラリア ランドウィック競馬場
芝1600m 3歳以上
ハンデ(下限49kg)
賞金総額:約2億4000万円(300万豪ドル)
1着賞金:1億3920万円(174万豪ドル)
※1豪ドル=80円で換算
ドンカスターマイルは1866年、日本では薩長同盟が結ばれた慶応2年に創設され、今年で154回目という歴史と伝統を誇る。1879年から1883年までは1800m、第二次大戦中の1942年にはローズヒルガーデンズ競馬場の1700mで施行されたが、それ以外はランドウィック競馬場の1600mで行われており、1980年にG1の格付けを受けた。創設から140年余りは「ドンカスターハンデキャップ」の名称だったが、2010年にドンカスターマイルへと改称された。
同じランドウィック競馬場で行われる春のエプソムハンデキャップ、秋のドンカスターマイルを勝つことは「The "big mile" double」と呼ばれ、現地のマイラーにとって最高の栄誉。同一シーズンでの達成馬は1866年の初代覇者ダンディーから2016年のウィンクスまで8頭しか存在しない。また、秋のドンカスターマイルは王座決定戦としてのステイタスも有し、歴代優勝馬には豪州を代表する名馬たちが名を連ねている。
今年からメルボルン地区(ヴィクトリア州)のフレミントン競馬場にマイル戦として世界最高賞金のジ・オールスターマイル(総額500万豪ドル=約4億円)が創設されたのは、シドニー地区(ニューサウスウェールズ州)のランドウィック競馬場に対抗する狙いが指摘された。それによって賞金規模は超されたものの、現在の賞金総額300万豪ドル(約2億4000万円)も十分に高額で、日本の安田記念やマイルCSと同等レベルにある。
優勝馬の性齢別構成では、3歳馬が31頭と5年に1頭の割合。ただ、そのうち8頭は最近20年で誕生しているうえ、2013年には上位3着までを独占するなど、近年は3歳馬の活躍も目立っている。最新の優勝例は2015年のカーマデックで、当時は日本から遠征したリアルインパクトが2着に敗れた。牝馬の優勝も32頭(33回)と3歳馬の割合に近く、2回勝ったのはニュージーランドの名牝サンライン(1999年、2002年)のみ。また、複数回の優勝経験馬はサンラインを含む9頭で、そのうち連覇は7頭。3勝以上した馬は存在しない。
歴代優勝馬で最重量ハンデは65.5kgだが、最近50年では60.5kgとなる。牝馬の優勝最重量ハンデは59kgで、こちらも最近50年だとサンライン(2002年)の58kgが最高。2016年のウィンクスは56.5kgでの優勝だった。
最多勝利調教師はT.スミスとG.ウォーターハウスが7勝で並んでいるが、ウィンクスのC.ウォーラー調教師が2013年からの4連覇をはじめ、2008年以降に6勝を挙げて迫っている。G.ウォルター調教師が2005年に上位3着まで独占の快挙を成し遂げた一方、ウォーラー師は2014年に4着独占で記録を塗り替えた。最多勝利騎手はG.ボスの6勝となっている。