ドンカスターマイル

Doncaster Mile

2019/4/6(土) 15:15発走

ランドウィック競馬場

日本馬挑戦の歴史

日本馬の歴史

過去に3頭の挑戦者、勝利に迫った2015年のリアルインパクト

日本調教馬の遠征先として、上半期はドバイワールドカップデーと香港のクイーンエリザベス2世カップが2000年代早々に定着した一方、同時期の豪州競馬が話題になることは少なかった。そうした状況に変化を与えたのが、2014年にシドニー地区の秋競馬の祭典として企画された「ザ・チャンピオンシップス」だった。2度の週末に渡りG1レースが束ねられたことによって日本からも遠征しやすい環境が整い、オーストラリア出身のオーナーを持つハナズゴールが開拓者として名乗りを挙げた。

ハナズゴールは現地に滞在してG1レースを3戦し、その2戦目としてドンカスターマイルに挑戦した。初戦のクールモアクラシックでは大きな出遅れもあって14着に大敗したハナズゴールだが、調整が進んだドンカスターマイルでは能力の片鱗を見せる。いつものようにゆっくりゲートを出ると、中間点の800m地点を先頭から15馬身ほどの最後方で通過。残り600mから進出をはじめ、大きく広がった馬群の外に切れ目を見つけてしぶとく末脚を伸ばした。結果は勝ち馬から6.9馬身差の6着で完敗だったが、持ち味を発揮して豪州競馬への適応力を見せると、3戦目にはオールエイジドステークス制覇という快挙を成し遂げた。

ハナズゴールが成果を挙げた2014年は、10月にもアドマイヤラクティがコーフィールドカップを勝ち、豪州で日本調教馬の活躍が続いた。これによって豪遠征にも一段と弾みがつき、翌2015年にはリアルインパクトとワールドエースがジョージライダーステークスからドンカスターマイルに転戦。リアルインパクトはいきなりジョージライダーステークスで凱歌をあげてみせる。

勢いづいたリアルインパクトはドンカスターマイルでも見事な走りを披露する。20頭立てのレースは1番人気でも単勝7倍、リアルインパクトは10倍で5番人気タイという拮抗した力関係で争われ、リアルインパクトはワールドエースの55.5kgに次ぎ、4番目に重い55kgのハンデを課されていた。

リアルインパクトは外目の枠から好スタートを決め、そのまま直進して離れた位置から馬群に接近。中団のワールドエースより6馬身ほど前方の3番手で流れに乗り、絶好の手応えで直線に突入すると、19頭を率いて馬場の中央から堂々と先頭に立つ。残り300mを切って1馬身抜け出し、勝利も見えた瞬間だった。しかし、道中ワールドエースの前後を追走していた3歳馬のカーマデックが馬群をすり抜けて内から急襲。51kgの軽ハンデを利して並ぶ間もなく突き抜けていった。リアルインパクトは1.8馬身差をつけられて2着に敗れたものの、その名前の通り豪州に鮮烈な記憶を刻みつけ、現在もシャトル種牡馬として豪州に招かれるほどの人気を博している。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2015 リアルインパクト 牡7 2 J.マクドナルド 堀宣行
ワールドエース 牡6 8 N.ホール 池江泰寿
2014 ハナズゴール 牝5 6 丸田恭介 加藤和宏