日本のクラシックはじめ重賞レースにおいて、出走順位未確定だった馬が、残された枠に抽選などで滑り込み、運を味方に激走することがある。それと同様に、今回、ラッキーホースになるかもしれないのがブルータルだ。枠順抽選前日（4月1日）の段階では次点候補だったが、回避馬が出たことにより出走にこぎつけた。

ただし、単なる格下馬による捨て身の参戦という訳ではない。現地ブックメーカーで前売り上位人気に推され続けてきたうえ、陣営も出走順40位台に過ぎなかった1週前の時点で、このレース最多勝利（6勝）のG.ボス騎手を確保。内外から大きな期待を背負っている。重賞未勝利で確かに格という面では不足しているが、ここまで6戦しただけの3歳馬なら、それも仕方ないだろう。

デビューは2歳最終盤の昨年7月。3連勝後に5か月休養して迎えた今年2月には重賞初挑戦、古馬初対戦のG3で小差の3着に善戦する。次走はG1初挑戦のカンタベリーSで6着も、キャリア不足の身にレコード決着の流れが厳しかった。それでも、距離を1500mに延ばした前走のG1ジョージライダーSでは、女傑ウィンクスの2着に食い下がって素質の一端を見せている。当時はウィンクスと斤量1kg差の56kgで3.5馬身差だったが、今回は軽量のハンデ49kgで女傑も不在。ニュースター誕生なるかに注目だ。

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