今年のワールドカップナイトで誰もが主役と認める大物中の大物だ。2016年のロンジンベストホースランキングで134ポンドを獲得して見事に世界最強の座に就き、1月のペガサスワールドカップも完勝してまざまざと実力を見せつけたばかり。いったい、どの馬がこの馬を止められるのか。なかなか負けるシーンを想像しづらく、今後の戦い次第では、あるいは史上最強論争に加えられる可能性も感じさせる。それほどまでにスケールの大きい、パーフェクトな存在だ。

デビューしたのは昨年4月17日と遅く、しかも6頭立ての3着に敗れている。ただ、レースを理解できていない初戦で負けることは、過去の名馬にもめずらしくないこと。デビューの時期的にも3冠戦には間に合わなかった。しかし、わずか4か月後の5戦目として臨んだG1トラヴァーズステークスが何と言っても衝撃的。重賞初挑戦だったにもかかわらず、プリークネスステークスの覇者エグザジャレイターらを、レコードの逃げ切りで完膚なきまでに打ち負かし、あたかも3冠戦がなかったことのようにしてしまった。次戦のBCクラシックでは、昨年のドバイワールドカップ優勝馬カリフォルニアクロームをねじ伏せているのだからもはや無敵。ここも勝てば、年明けから2戦だけで約15億円獲得ということになるが、それも秒読みといったところだろう。