失意の直前回避を経て復権へ、リアルスティールが悲願のG1制覇を飾った思い出の地で世界に健在をアピールする。昨年は連覇を賭けて現地入りしたものの、不運にも鼻出血を発症。肺からの出血という最悪の事態こそ免れたが、慎重を期す陣営の判断により、戦わずして連覇の夢が潰えた。帰国後は療養に努め、出発前の中山記念から半年以上のブランクを強いられる形になったが、リアルスティールは健康第一とした陣営の思いに応えるように状態を回復。復帰戦の毎日王冠では上がり32秒8の切れ味で春のマイル王サトノアラジンらを退け、鮮やかに復活を遂げた。

毎日王冠後は天皇賞（秋）とブリーダーズカップマイルの二者択一で前者を選択。しかし、稀に見る豪雨に持ち味の瞬発力を封じられ、4着と不本意な結果に終わった。それでも、2着だった前年より10秒も要す悪コンディションの中で崩れた訳ではない。むしろ、あらためて底力を示すことはできたと言えよう。

レース後は疲労を考慮して香港遠征を取りやめ、このドバイターフまで休養することになったが、5か月ぶりというレース間隔は快勝した毎日王冠よりも短い。死角らしい死角は見当たらないだけに、ドバイデューティフリー時代から数えても初となる、同一馬による2度目の優勝を成し遂げる可能性も十分だろう。

リアルスティールの競馬データ