これまでに5回挑戦してきたG1では2着1回、3着2回を含む全て4着以内と、あと一歩に泣いてきたステラヴェローチェ。2歳の朝日杯フューチュリティSから3歳のクラシック三冠戦、そして有馬記念と、王道を歩んできた上での実績を考慮すれば、間違いなく現役トップクラスの1頭といえる。そろそろ結果が欲しいところだが、このドバイシーマクラシックには少なからずチャンスがありそうだ。

G1では惜敗続きのステラヴェローチェだが、必ず最後に差し込んでくる堅実さは備えている。最終コーナーで自身より後ろを走っていた馬に先を越されたことは1度もなく、5戦のうち4戦は上がり3ハロンが最速、残りの1戦も2番目に速い。最終コーナーの位置が10番手より後ろだったことも1戦しかない。それにもかかわらず勝ち切れないのは、日本の高速馬場では脚力の差が出にくいという事情もあるだろう。実際に、通算3勝の中で重賞を2勝しているが、それらは不良馬場で挙げたもの。力の要る馬場での勝負強さは自他共に認めるところだ。

今回のメイダン競馬場はいわゆる洋芝で、日本ほど高速化しないためステラヴェローチェの脚力を生かしやすい。同じバゴ産駒のクロノジェネシスが昨年の当レースでクビ差2着と結果を出しており、待望のG1初制覇を飾る可能性は十分にある。