ドバイシーマクラシック

2022/3/27(日) 00:55発走 メイダン競馬場

日本馬挑戦の歴史JAPANESE HISTORY

一線級が数多く遠征も3勝止まり、近年は惜敗が続く

芝の中距離では世界的にトップレベルと評されるようになった日本調教馬だが、これまでドバイシーマクラシックにはダービー馬をはじめ延べ25頭が遠征して3勝。イメージほど勝っている訳ではない。

そのうちの1勝は2001年、ドバイシーマクラシックがG2時代にステイゴールドが記録したもの。当時のステイゴールドは重賞を2勝していたものの、それ以上に惜敗が多く、「善戦マン」「名脇役」の評価が定着していた。しかし、この一戦では世界王者のファンタスティックライトと叩き合い、ハナ差で制す勝負強さを披露。執念で手にした金星は、ドバイにおける日本調教馬の初勝利となった。

2勝目は2006年のハーツクライ。接戦を制したステイゴールドとは対照的に、逃げ切りで2着に4馬身差をつける圧勝劇だった。それに遡ること3か月の有馬記念で、ハーツクライは型としていた差し・追い込みから好位差しへと大胆に戦術を転換し、無敗の三冠馬ディープインパクトを完封。経験と自信がドバイシーマクラシックでのさらなる進化につながった。

その後は2010年にブエナビスタが再三の不利に泣き2着、2013年にも三冠牝馬ジェンティルドンナも2着と歴代最強クラスの牝馬が遠征して敗れたが、ジェンティルドンナは2014年の再挑戦でリベンジに成功する。休み明けだった前年の経験を生かし、ひと叩きして万全の態勢で臨んだジェンティルドンナは、スムーズな道中から一転、直線では包まれて行き場を失う事態に。残り300mを切って万事休すの場面を迎えたが、わずかなスペースをこじ開けて末脚爆発。劇的に差し切りを決めた。

この勝利を最後に日本調教馬は白星から遠ざかっているが、2015年はワンアンドオンリーが3着、2016年もドゥラメンテが2着、ラストインパクトは3着と上位に食い込んだ。さらには2019年のシュヴァルグランとスワーヴリチャードも2、3着で勝利に迫り、2021年はクロノジェネシスとラヴズオンリーユーの牝馬2頭が英国のミシュリフと激闘を演じ、それぞれクビ差で2、3着に惜敗と、近年は勝利にこそ至らないものの存在感を発揮し続けている。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2021 クロノジェネシス 牝5 2 北村友一 斉藤崇史
ラヴズオンリーユー 牝5 3 O.マーフィー 矢作芳人
2019 シュヴァルグラン 牡7 2 H.ボウマン 友道康夫
スワーヴリチャード 牡5 3 J.モレイラ 庄野靖志
レイデオロ 牡5 6 C.ルメール 藤沢和雄
2018 レイデオロ 牡4 4 C.ルメール 藤沢和雄
モズカッチャン 牝4 6 C.デムーロ 鮫島一歩
サトノクラウン 牡6 7 J.モレイラ 堀宣行
2017 サウンズオブアース 牡6 6 C.ルメール 藤岡健一
2016 ドゥラメンテ 牡4 2 M.デムーロ 堀宣行
ラストインパクト 牡6 3 J.モレイラ 角居勝彦
ワンアンドオンリー 牡5 5 武豊 橋口慎介
2015 ワンアンドオンリー 牡4 3 C.デムーロ 橋口弘次郎
ハープスター 牝4 8 R.ムーア 松田博資
2014 ジェンティルドンナ 牝5 1 R.ムーア 石坂正
デニムアンドルビー 牝4 10 浜中俊 角居勝彦
2013 ジェンティルドンナ 牝4 2 岩田康誠 石坂正
トレイルブレイザー 牡6 11 武豊 池江泰寿
2011 ルーラーシップ 牡4 6 C.スミヨン 角居勝彦
2010 ブエナビスタ 牝4 2 O.ペリエ 松田博資
2007 ポップロック 牡6 6 O.ペリエ 角居勝彦
2006 ハーツクライ 牡5 1 C.ルメール 橋口弘次郎
2002 ホットシークレット セ6 7 柴田善臣 後藤由之
2001 ステイゴールド 牡7 1 武豊 池江泰郎
2000 ゴーイングスズカ 牡7 5 芹沢純一 橋田満