3歳前半まで見せていた堅実性を海外の大舞台で取り戻せるか。ユーバーレーベンにとって、このドバイ遠征は今季を占う上で重要な意味を持つ一戦になりそうだ。2歳6月のデビュー勝ち以降、1年後のオークス制覇まで全て重賞に出走し、着外は道中で包まれ位置を悪くした3戦目のアルテミスSのみ。差し届かずに勝ち切れないレースを続ける一方、札幌に東京、阪神、中山と、競馬場や距離を様々に変えながら上位争いに加わっていた。高い地力が備わっていればこその芸当で、それを遺憾なく発揮したのがオークスだった。

オークスでは中団馬群の中でレースを進めると、向正面で徐々に後方へ下げつつ第3コーナーから馬群の外に出て進出。長く脚を使って直線で横一線の追いくらべから1馬身抜け出し、デビュー戦以来となる白星を挙げて惜敗続きに終止符に打った。しかし、その矢先に脚部不安を発症。ぶっつけ本番を余儀なくされた秋華賞は、後方で何もできないまま13着に終わった。

それでも、叩き2戦目のジャパンCは結果こそ6着も、出走馬中2位タイの上がり時計をマーク。オーソリティと0秒5、シャフリヤールとは0秒3差の逆転も可能な内容を残した。前走の京都記念は1番人気を裏切り5着に終わったが、いつもとは異なる先行策が合わなかった印象。今回は自分の形に専念できる相手関係だけに、巻き返しの余地もあるはずだ。