3歳5月の葵ステークスでオープン初勝利を挙げて以来、スプリント戦線の常連として活躍してきたナックビーナスが、6歳を迎えて初の海外遠征に挑む。ここまで3年間のオープン成績は見事な物で、とりわけ4歳以降の芝1200mに限れば、15戦のうち11戦で人気以上の着順を残してきた。また、重賞こそ昨年のキーンランドカップで挙げた1勝だけだが、オーシャンステークスでは3年連続の2着というめずらしい記録も作っている。

その3年ともオーシャンSから高松宮記念に臨み、昨年は春秋スプリント王となるファインニードルを相手に叩き合って1馬身圏内の3着と、G1制覇へあと一歩の所まで迫った。雪辱を期した今年の高松宮記念では、芝のレースで生涯最悪となる14着に大敗してしまったが、ダノンスマッシュに外から前をカットされるという大きな不利を受けたもの。離れた内で難を逃れたミスターメロディはじめ、内枠勢が上位を占めた展開の中、最終コーナーを大外から進出する形になるなどロスが重なった。

それでも、直前のオーシャンSでは前半600m32秒3の猛烈なペースで飛ばすモズスーパーフレアを番手マークし、最後まで捕まえられなかったものの2着を確保している。6歳になっても衰え知らずの姿を見せており、スプリント王国の香港でスピードがどこまで通用するか楽しみだ。

ナックビーナスの競馬データ