2014年の香港マイルを制すなど、地元競馬界で史上最高レーティングを獲得し、2014/2015シーズンの年度代表馬に輝いたエイブルフレンドだが、現在は脚部不安から復活の途上にある。昨年の香港マイルは戦前に脚部がモヤつき、出走を危ぶまれた状態での戦い。一騎打ちが最大級の話題を呼んだモーリスも、現地入り後のイレ込みが激しく万全ではなかったが、直線では両雄ががっぷり組んで追いくらべ、最後はエイブルフレンドがねじ伏せられる形となった。激闘の代償は大きく、レース後に患部の悪化が判明。シーズン後半を全休に追い込まれてしまった。

エイブルフレンドは生まれ故郷の豪州で治療に専念すると、今季初戦に前走のジョッキークラブスプリントを選択。1200mで始動するのは過去2シーズンと同じだが、どちらも10月のプレミアボウルだっただけに、タイミングとしては1か月遅れの形になる。体重も過去2年の同時期に比べて13～18kg減少と調整不足が明らかな状態で、香港マイルに向けて何とか間に合わせた形だが、レースでは中団から2着争いの場面を作る上々の内容を残している。12月2日にはバリアトライアル（数頭で行う実戦形式の調教）に臨んで軽快な動きを披露。ひと叩きでの上昇を印象づけており、これで本来の姿を取り戻すことができたなら、2年ぶりの香港カップ制覇が現実味を帯びる。