フィアースネス
牡3 5戦3勝[3-0-1-1]
広大な大陸の各エリアから強豪が勝ち上がってくるケンタッキーダービー戦線は、本番が近づくにつれて優勝候補も増えるのが例年の傾向だが、今年はフィアースネスが大本命の評価を受けて桧舞台に上がる。昨年のBCジュベナイルは2着に6馬身余りの差をつける圧勝。3歳初戦のホーリーブルSは序盤の不利もあって取りこぼしたものの、重要前哨戦のフロリダダービーではレースレコードとなる13馬身半差の大勝で巻き返してみせた。スムーズに先行できた際の強さには特筆すべきものがあり、勝負の行方はライバルたちがついていけるかで決まる。
シエラレオーネ
牡3 4戦3勝[3-1-0-0]
ゴール前のスリリングな攻防を演出する追い込み馬が、主役を奪うか脇役に終わるかは全て結果次第。ケンタッキーダービーの長期前売りで2番人気のシエラレオーネは、1番人気フィアースネスの先行と対照的に追い込みで実績を築いてきた。通算4戦で黒星はデビュー2戦目のレムゼンSのみ。それも差し返されてハナ差の惜敗でしかない。明け3歳初戦のリズンスターSは水の浮く不良馬場で重賞初制覇、続く前走のブルーグラスSは良馬場でG1制覇と展開も天候も不問。同じように差し脚を武器とするフォーエバーヤングにも脅威の存在となる。
キャッチングフリーダム
牡3 5戦3勝[3-0-1-1]
ルイジアナダービーの優勝馬は2021年のホットロッドチャーリー、2022年のエピセンターがケンタッキーダービーで2着に好走。キャッチングフリーダムは存在感を増す前哨戦を制し、長期前売りの3番人気に浮上してきた。2走前には同じフェアグラウンズ競馬場のリズンスターSでシエラレオーネの追い込みに屈したが、馬場状態が不良から良へと大きく変わり、距離も0.5ハロン(約100m)長いルイジアナダービーで結果を残せたことは自信になる。中団より後ろから馬群を捌ける機動力がある点も、多頭数の本番では強調材料だ。
フォーエバーヤング
牡3 5戦5勝[5-0-0-0]
デビューから続く連勝街道をチャーチルダウンズ競馬場の先へつなげることはできるか。昨年11月に2戦目で早くも重賞制覇(JBC2歳優駿)を飾ると、3戦目には全日本2歳優駿も制してダート路線の2歳王者に。明け3歳の今年からは海外遠征に打って出てサウジアラビア、そしてUAEの2か国でダービー馬の称号を手にした。5連勝は全て異なる競馬場で達成し、海外への遠征、転戦も成功させている。実績と経験値はケンタッキーダービーに挑戦してきた日本調教馬の比較で最高。結果もついてきてくれると信じたい。
ジャストアタッチ
牡3 3戦1勝[1-2-0-0]
前走のブルーグラスS(G1)は直線で先頭に立つも、シエラレオーネの後塵を拝した。父ジャスティファイは2018年の北米三冠馬で種牡馬入りしてから活躍馬を多数輩出しており、母はG3勝ち馬のタッチングビューティー。母父にはスタミナ系種牡馬とされるタピットがおり、ジャストアタッチ自身にも十分な底力があると見られる。
ストロングホールド
牡3 6戦3勝[3-3-0-0]
有力候補の一頭。サンタアニタダービー(G1)では末脚を見せて勝利した。重賞2連勝中。競馬センスと底力のある末脚が魅力。
レジリエンス
牡3 6戦2勝[2-1-1-2]
ウッドメモリアルS(G2)の勝馬。前々走のリズンスターS(G2)ではシエラレオーネの4着に終わったものの、前走はレジリエンスの力強さが光った。落着いた競馬ができれば、ケンタッキーダービーでも存在感を示せるかもしれない。
ドーノック
牡3 6戦3勝[3-2-0-1]
KYダービー馬、兄メイジに続けるか。ドーノックは、前々走ファウンテンオブユースS(G2)の圧勝により、ケンタッキーダービーの有力馬の仲間入りを果たした。ただし、前走ブルーグラスS(G2)ではライバルのシエラレオーネに完敗を喫し、力の差を見せつけられた形となった。本番は良血の血が騒ぐか。
トラックファントム
牡3 7戦3勝[3-2-1-1]
ルコントS(G3)の勝馬。リズンスターS(G2)ではシエラレオーネの2着、ルイジアナダービー(G2)はキャッチングフリーダムの4着だった。父Quality Roadは北米リーディングサイアー上位の常連で、母の父Into Mischiefは北米リーディングサイヤー。陣営は2017年ルッキンアットリーでKYダービー2着としており、更なる上昇を狙っている。
ジャストスティール
牡3 11戦2勝[2-4-1-4]
5度目のケンタッキーダービー制覇を目指すD.ルーカス調教師のが管理するジャスティファイ産駒の牡馬。前走アーカンソーダービー(G1)では、勝馬のムースに追いすがり2着だった。
オナーマリー
牡3 5戦2勝[2-2-0-1]
2歳重賞ケンタッキージョッキークラブS(G2)の勝馬で、D.ベックマン調教師が手掛けるオナーコード産駒の牡馬。前走ルイジアナダービー(G2)は後方から追い込んだが、同じく追い込んだキャッチングフリーダムが出たところがゴールだった。追い込みに向く展開になることが上位進出の条件か。
ミスティックダン
牡3 6戦2勝[2-1-1-2]
ミスティックダンは、Into Mischief系のゴールデンセンツ産駒の牡馬。サウスウェストS(G3)を勝利している。前走アーカンソーダービー(G1)ではムースの3着だった。
エンドレスリー
牡3 6戦5勝[5-0-0-1]
アニマルキングダムの再来なるか。前走AWのジェフルビーS(G3)(2017年までスパイラルS)で圧倒的な強さを見せ付け、ケンタッキーダービーへ駒を進めた逸材。芝、オールウェザー両方の馬場で重賞勝利経験があり、馬場不問の印象だ。ジェフルビーSの勝ち馬がKYダービーを制した事例はアニマルキングダムがあり、その系譜に連なるかどうか注目。
ドメスティックプロダクト
牡3 5戦2勝[2-1-0-2]
C.ブラウン調教師が管理するプラクティカルジョーク産駒の牡馬。前走タンパベイダービー(G3)は中段からレースを進め、ゴール寸前できわどく差し切った。プラクティカルジョーク産駒はマイル~1800mを得意とする馬が多く、2000mを克服出来るかがカギになる。
カタリティック
牡3 3戦1勝[1-2-0-0]
父カタリナクルーザー産駒の牡馬。父は6~8ハロンのG2重賞を複数勝っており、スピード血統。2000mをこなせるかがカギとなる。前走はフロリダダービー(G1)をフィアースネスの2着とし、ここに駒を進めてきた。
テーオーパスワード
牡3 2戦2勝[2-0-0-0]
記録が残っている1937年以降、ケンタッキーダービー優勝馬の最少キャリアは3戦(計3頭)。わずか2戦で挑むテーオーパスワードが勝てば最速となる。また、年明けデビュー馬の優勝は2018年のジャスティファイまで136年間も達成されていなかった。昨年のメイジも1月デビューでトレンドに変化の兆しも見られるが、それでも高いハードルであることは間違いない。日本調教馬としての初制覇は、それと同時に全米を揺るがすほどの事件となるはず。上位争いに加わるだけでも大きなインパクトを残すことになるだろう。
ウエストサラトガ
牡3 10戦2勝[2-5-1-2]
イロコイS(G3)の勝馬。当歳セールで約1万ドル(約160万円)と安価で落札されたがそれを超える活躍を見せている。前走ジェフルビーS(G3)ではエンドレスリーに及ばず2着。2021年のKYダービー1位入着(後に失格)メディーナスピリットは約1000ドル(約16万円)で落札されており、当歳時の評価が全てではないことを証明できるか。
ソサエティマン
セ3 5戦1勝[1-1-1-2]
ソサエティマンは、ウッドメモリアルS(G2)でレジリエンスの2着に入り、ケンタッキーダービー出走権を獲得した。父グッドマジックは2018年のケンタッキーダービーで2着で、スタミナのある種牡馬として高く評価されている。昨年のKYダービー馬メイジを輩出している。
グランドモーザファースト
牡3 6戦2勝[2-0-4-0]
グランドモーザファーストは、三冠馬ジャスティファイを生産したジョン・ガンサー氏が送り出す産駒の1頭。父アンクルモーは、ケンタッキーダービー馬ナイキストなどのスタミナの素質を産駒に伝えている。フロリダダービー(G1)ではフィアースネスの3着だったが、距離の伸びる今回の方が血統的に向く可能性がある。
エピックライド
牡3 5戦2勝[2-2-1-0]
前走ブルーグラスステークス(G1)はシエラレオーネの3着だった。父ブレイムは、BCクラシックの勝ち馬。