【海外競馬 ニュースまとめ】2018年1月~2月
2018年04月10日 15:00
2013、2014年のG1凱旋門賞を名牝トレヴで連覇したクリスティアーヌ・ヘッドマーレック調教師(69歳)が2月1日をもって引退した。ヘッドマーレク調教師はリファールやリヴァーマンを育て上げた父アレックの元で修行後、1978年に自らの厩舎を開業。その翌年には女性調教師として初めて凱旋門賞に優勝した(勝ち馬スリートロイカス。馬主は母ギスレーヌ、鞍上は兄フレドリック)。また、ベーリングでG1仏ダービーを制した1986年には仏チャンピオントレーナーにも輝いた。今後は実家であるケスネー牧場を手伝い、生産者、馬主として競馬に関わるという。
●ガンランナーが有終の美を飾る
1月27日に米フロリダ州のガルフストリームパーク競馬場で行われたG1ペガサスワールドカップ(ダート9ハロン)は、その2日前に2017年の米年度代表馬に選ばれたばかりのガンランナー(牡5歳、父キャンディライド)が米最優秀3歳牡馬のウエストコーストに2馬身半差をつけて優勝。G1・5連勝を果たすとともに、引退レースを勝利で飾った。ガンランナーは今春からケンタッキー州のスリーチムニーズファームで種牡馬生活をスタートさせている。
G1ペガサスワールドCは現在の世界最高賞金レース。出走権を1頭につき100万ドルで売って賞金に充てる、というユニークな方法で昨年創設された。昨年はフルゲート12頭分×100万ドル=総賞金1200万ドルで争われたが、今年は主催者が430万ドルを提供して総賞金1630万ドル(約17億7000万円)での開催となった。ただし、1着賞金は据え置きの700万ドル。敗者に優しくなったのが特徴で、昨年の最低賞金は25万ドル(4着から12着)だったが、今年は65万ドル(6着から12着)となった。
●ジョルジ・リカルド騎手が世界最多勝記録を更新
ブラジル出身のジョルジ・リカルド騎手(56歳)が2月7日、アルゼンチン・サンイシドロ競馬場の第4レースに勝ち、通算1万2845勝をマーク。カナダ出身でアメリカを拠点に活躍したラッセル・ベイズ元騎手(2016年に引退)が持っていた世界最多勝記録を塗り替えた。リカルド騎手はその後さらに記録を伸ばし、2月末日時点で1万2852勝としている。
リカルド騎手は15歳だった1976年にデビュー。リオデジャネイロのチャンピオンジョッキーに1982年から25シーズン続けて輝いた後、アルゼンチンに拠点を移してそこでもチャンピオンタイトルを4度(2007、2008、2011、2012年)獲得した。2008年1月には史上初めて1万勝の大台に到達したが、その後は病気(リンパ腫)や落馬による怪我の影響もあって、ベイズ元騎手に逆転を許していた。これまで180以上のG1競走を制し、南米の主要国持ち回りで行われるG1ラテンアメリカジョッキークラブ大賞はマッチベターでの2勝を含む史上最多の5勝。1994、1995年と2年連続してG1ジャパンCに参戦したサンドピットはブラジル時代にクルゼイロドスル大賞(リオデジャネイロのダービー)を勝っているが、その時の鞍上はリカルド騎手だった。
文:秋山 響(TPC)