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【海外競馬 ニュースまとめ】2018年4月

2018年05月14日 14:40

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●新生ロンシャン競馬場がオープン

 改修工事のために閉鎖されていたフランスのロンシャン競馬場で4月8日、およそ2年半ぶりに競馬が行われた。ゴールデンホーンが優勝したG1凱旋門賞が施行された2015年10月4日以来の開催であった。1億4000万ユーロ(約185億円)もの巨費が投じられた今回の改修では、主にグランドスタンド、パドック、入場門などがリニューアルされた。なお、今回の改修に伴って、競馬場の正式名称もロンシャン競馬場からパリロンシャン競馬場へと変更になっている。

 今回のリニューアルでは、水はけを良くするための馬場改修も一部行われたが、コースそのものにはドラスティックな変化は無かった。ただ、仮柵の運用方法には大きな変化があり、「オープンストレッチ(フランス語でL'open stretch)」が導入されたことが最大のポイントと言える。

 オープンストレッチとは、最後の直線に入ったところ(パリロンシャン競馬場では残り450m付近)で、それまであった仮柵(パリロンシャン競馬場では6m分)を取り払うというもの。内ラチ沿いにぽっかりとスペースが生まれることで、各馬が進路を確保しやすくなり、その結果として、よりフェアなレースを作り出そうする狙いがある。このやり方は、南アフリカでは以前から盛んに用いられているが、フランスでは今回が初めての事例となる。

もちろん、勝負所で人為的にスペースを作り出すオープンストレッチの導入には賛否両論があり、今後の運用方法にも注目したいところ。個人的にはフランス競馬の面白さのひとつである戦略性の高さが損なわれるのではないかという懸念を抱いているが、はたして……。

ウィンクスがブラックキャビアに並ぶ25連勝

 オーストラリアが誇る名牝ウィンクス(牝6、父ストリートクライ、クリス・ウォーラー厩舎)が4月14日に豪ニューサウスウェールズ州のランドウィック競馬場で行われたG1クイーンエリザベスS(芝2000m)に優勝。自身が持つ平地G1世界最多勝記録を18に伸ばすとともに、ブラックキャビア(2006年生まれ)が持つオセアニアにおける連勝記録・25連勝に並んだ。

 今回のG1クイーンエリザベスSはG1・3勝馬ゲイローチョップに3.8馬身差をつける完勝。コーナーで外々を回って進出し、最後の1000mを56秒84、同じく800mを44秒56、同じく600mを33秒48で上がられては、他陣営はお手上げだろう。ディープインパクトの“飛ぶ走り”を彷彿とさせる勝ちっぷりだった。

オセアニア記録となった25連勝については、デビューから25連勝で引退したブラックキャビアと、キャリア無敗ではないウィンクス(35戦29勝)とでは微妙に意味合いが違ってくるとは思うが、ウィンクスの25連勝は全て重賞(ブラックキャビアの場合は22レースが重賞)であり、その中身はやはり非常に濃いものがある。

文:秋山 響(TPC)