【世界の調教師紹介 Vol.40】ロジャー・ヴェリアン
2021年06月30日 15:00
イギリスを代表する調教師のひとり。1979年3月14日、イギリス生まれ。夫人は日本人の花子さん。
幼少期からポニーに跨がり、やがて競馬に魅了された。ポイントトゥポイント(アマチュア騎手による障害競走)を経て障害騎手となり7勝を挙げたが、2001年3月の落馬事故で手首を骨折。これが転機となって、それ以前に10週間仕事をしたことがあったイギリスのマイケル・ジャーヴィス厩舎のアシスタントへと転身した。
ジャーヴィス厩舎ではG1英オークスを制したエスワラー、G1英チャンピオンSやG1クイーンエリザベス2世Sに優勝したラクティなどを手がけていたが、やがてジャーヴィス調教師の体調が悪化すると、2011年初めに厩舎(ニューマーケットのクレムリンハウスステーブルズ)を引き継ぐ形で開業した(現在は同じニューマーケットにあり、かつてクライヴ・ブリテン調教師がベースとしていたカールバーグステーブルズが拠点)。
すると、開業初年度から目覚ましい活躍を見せ、10月にはナーレーンでフランスのG1オペラ賞を制して重賞初制覇。翌年には、同じくナーレーンでアメリカのG1フラワーボウルSに優勝したほか、G2ヨークSの勝ち馬スリプトラでG1ジャパンカップにも参戦した(ジェンティルドンナの17着)。
2014年には、その前年にG1レーシングポストトロフィーに勝ったキングスストンヒルでG1英セントレジャーを制して英クラシック初制覇。その後もポストポンドで2016年のG1ドバイシーマクラシック、G1コロネーションC、G1英インターナショナルS、ベラルドで2016年のG1ロッキンジS(ベラルドは2014年のG1デューハーストSにも優勝)、デフォーで2019年のG1コロネーションC、ザビールプリンスで2019年のG1イスパーン賞を制するなど管理馬の活躍が目立つ。2021年5月22日には通算1000勝を記録している。
近年のG1勝ち
2019年
コロネーションC(イギリス):デフォー
イスパーン賞(フランス):ザビールプリンス
2018年
E.P.テイラーS(カナダ):シェイカレイカ
2017年
ジャンロマネ賞(フランス):アジマンプリンセス
プリティポリーS(イギリス):ネズワー
2016年
インターナショナルS(イギリス):ポストポンド
コロネーションC(イギリス):ポストポンド
ロッキンジS(イギリス):ベラルド
ドバイシーマクラシック(UAE):ポストポンド
文:秋山 響(TPC)