【世界の調教師紹介 Vol.38】ブラッド・コックス

2021年03月31日 15:00

アメリカの調教師。1980年3月30日生まれ、米国ケンタッキー州ルイヴィル出身。チャーチルダウンズ競馬場からわずかに2ブロックという家で育つ。高校時代に競馬業界へ入ることを決意し、バーク・キッシンジャー厩舎やジミー・ベイカー厩舎を経て、ダラス・スチュワート厩舎のアシスタントとなり、約4年の経験を積んだ。

2004年に自身の厩舎を開業し、同年12月4日に2走目で初勝利。2010年にはミッドウエストサラブレッズのメイン厩舎となって成績を伸ばしたが、この関係が解消されると管理馬が大きく減少した。しかしクレーミングレースで優良馬を多く掘り当てて盛り返すと、2014年にはカーブでG3プレーリーメドウズコーンハスカーHを制して重賞初制覇。2015年~2016年にかけてはクレーミングレースにて4万ドルで手に入れたチョコレートライドで4つの重賞を制してその名をアピール。現在ではケンタッキー州やアーカンソー州を中心に150頭以上を管理している。

2021年にペガサスWCを制したコックス調教師(左)。(Photo by Getty Images)

G1初制覇は2018年4月にモノモイガールで優勝したG1アッシュランドS。その後、モノモイガールはG1BCディスタフ(2回)、G1ケンタッキーオークスなども制覇。コックス調教師の名を全国的なものへと押し上げた。また、2020年のブリーダーズカップでは、モノモイガールのG1BCディスタフ制覇を筆頭に、G1BCダートマイルをニックスゴー、G1BCジュベナイルをエッセンシャルクオリティ、G1BCジュベナイルフィリーズターフをアントパールで優勝。2003年のリチャード・マンデラ調教師に並ぶブリーダーズカップ4勝をマーク(ただし当時のレース数は8。2020年は14レース)。エクリプス賞最優秀調教師にも輝いた。

2021年も1月のペガサスワールドカップをニックスゴーで制し、幸先のよいスタートを切っている。

近年のG1勝ち
2021年
ペガサスワールドカップ(アメリカ):ニックスゴー

2020年
BCディスタフ(アメリカ):モノモイガール
BCダートマイル(アメリカ):ニックスゴー
BCジュベナイル(アメリカ):エッセンシャルクオリティ
BCジュベナイルフィリーズターフ(アメリカ):アントパール
ブリダーズフューチュリティ(アメリカ):エッセンシャルクオリティ
ケンタッキーオークス(アメリカ):シーデアーズザデビル
ラトロワンヌS(アメリカ):モノモイガール

2019年
BCフィリー&メアスプリント(アメリカ):コヴフィフィ
BCジュベナイルフィリーズ(アメリカ):ブリティッシュイディオム
ジョーハーシュターフクラシック(アメリカ):アークロウ
アルシビアデスS(アメリカ):ブリティッシュイディオム
テストS(アメリカ):コヴフィフィ

2018年
クラークH(アメリカ):レオフリック
BCディスタフ(アメリカ):モノモイガール
CCAオークス(アメリカ):モノモイガール
ハイランダーS(カナダ):ロングオンバリュー
エイコーンS(アメリカ):モノモイガール
ケンタッキーオークス(アメリカ):モノモイガール
アッシュランドS(アメリカ):モノモイガール

文:秋山 響(TPC)