ランドウィック競馬場で初めてレースが行われたのは1833年6月。開場当時はサンディーコース(Sandy Course)と呼ばれてにぎわいを見せていたが、立地が不便だった上に治安も悪化し、上流階級の客離れを招いて5年後に閉鎖の憂き目を見た。
しかし、1840年代からホームブッシュ競馬場でレースを開催していたオーストラリアン・ジョッキー・クラブが新たに常設競馬場の候補地を求めた結果、スタンド建築などサンディーコースの修復に着手。1860年5月29日に競馬場再開にこぎつけた。
1年後に創設されたオーストラリアンダービー(当初はランドウィックダービー)は、メルボルン地区のヴィクトリアダービーなど、国内に数ある「ダービー」の中でも最上格。また、1992年には英国女王エリザベス2世の訪問を受けて“ロイヤル”の称号使用を認められるなど、シドニー地区を代表する競馬場となっている。
2014年にはニューサウスウェールズ州政府の支援を受けて秋競馬の祭典「ザ・チャンピオンシップス」を創設。4月の第1および第2土曜日の2日間にわたり、賞金総額2000万豪ドルを用意して8つのG1を含む計12レースを集中開催し、世界の競馬カレンダーに新たな潮流を起こそうとしている。ザ・チャンピオンシップスでは2015年に日本のリアルインパクトがドンカスターマイル(ドンカスターハンデキャップ)で2着に惜敗。また、その他の開催でも2014年にハナズゴールがG1オールエイジドSを制すなど、今後は日本馬の活躍が増加するものと予想される。