COURSE

コース解説

オリジナル

パリロンシャン競馬場

概要

概要

パリロンシャン競馬場はパリ近郊・ブローニュの森のセーヌ河畔に位置し、皇帝ナポレオン3世臨場の下、1857年4月27日に最初のレースが施行された。日本の地方空港と同規模の55haとも57haともいわれる広大な敷地面積を誇り、1000mから4000mまでの距離設定が可能。2000ギニーおよび1000ギニー、パリ大賞やムーラン・ド・ロンシャン賞などのG1レースをはじめ、国内で行われる重賞レースの4割以上がロンシャンを舞台とするなど、まさにフランス競馬の顔というべき位置づけにある。

その中でも最大の呼び物となっているのがやはり凱旋門賞で、開催週には「ウィークエンド・ロンシャン」と称し、土日の2日間で純血アラブ種限定の2レースを含む計13重賞(全17レース)を施行する。2015年秋からスタンドの全面改装とオールウェザーコース新設を図り、2016年は全レースを他場で代替開催。2018年4月にリニューアルオープンを迎え、名称もロンシャン競馬場から新たにパリロンシャン競馬場となった。

日本馬は2015年の時点で看板の凱旋門賞に未勝利だが、その前哨戦であるフォワ賞とニエル賞を3頭が制し(計4回)、いずれも本番で4着以上と好結果につなげている。また、1999年にアグネスワールドがアベイ・ド・ロンシャン賞で優勝。これまでパリロンシャン競馬場における唯一のG1勝利となっている。

コース紹介

コース紹介

パリロンシャン競馬場のレースは右回りで行われ、大(2750m)、中(2500m)、小(2150m)の周回コースのほか、向正面の大コーナー付近から延びる引き込み線の新コース(1400m)、さらにスタートからゴールまでを向正面で完結させる直線コース(1000m)の計5コースからなる。スタンド前の直線には設定距離によって使い分ける2つのゴール板があり、最終コーナーから手前のゴールまでは533m、奥は650mとなっている。

凱旋門賞とニエル賞ら前哨戦3レース(2400m)は大コースを舞台とし、スタート地点はグランドスタンドから見て左手奥の風車前に置かれる。ゴールまでの全景は京都競馬場の外回り1800mを拡大するとイメージしやすい。コースは「約1000mのバックストレッチ」と「約900mのコーナー」、そして「スタンド前の直線533m」の3パートに大別され、それぞれにポイントがある。

向正面の直線約1000mでは、400mを通過する辺りから10mの勾配を駆け上がって頂上に到達し、すぐに下りのコーナーセクションへと移る。勾配の比較では3倍余りになるが、この辺りは淀の坂越えを彷彿とさせる。もともと序盤から抑えたペースになりやすいうえ、ゲートを出て間もなく上り坂を迎えるため無理もできず、隊列は早く決まる傾向。その分だけポジション争いは厳しくなる。

コーナーは二段階に分けて回る形になり、直線1000mコースをまたいだ先に待ち構える「フォルスストレート」が重要なポイント。下り坂で我慢を重ねてきた馬が、最後の直線と勘違いして行きたがる場合もあり、ここで無駄な動きをすると終盤のスタミナロスに影響する。

フォルスストレートの終わりに差し掛かると、ラストスパートに備えて各馬が進出を開始するが、馬群の中から進路を確保していくのがセオリー。例年、凱旋門賞の開催週は仮柵を外した馬場の内側が良いため、よほど能力が高いか展開が向かない限り、外を通って差し切るのは難しい。最後の直線に坂はなく平坦。東京競馬場(約526m)とほぼ同じ、十分な長さがある。

主要競走

・凱旋門賞
・パリ大賞
・2000ギニー
・ムーランドロンシャン賞

アクセス