プロフィール
後に香港の競馬史にブレークスルーをもたらすことになるヴェンジェンスオブレインだが、その競走生活は豪州からスタートした。当時の馬名はサブスクライブ。2歳戦線の主要G1サイアーズプロデュースSで5着など、3戦1勝の戦績を残して香港へ移籍することになった。
ヴェンジェンスオブレインと改名され、移籍当初は成績が振るわなかったが、4歳シーズン後半の2005年1月に初勝利を挙げると、初の2000mに挑んだセンテナリーヴァーズ(当時はローカルG3)で重賞初制覇。続く香港ダービーも中団から3馬身近く突き抜け、一気に3連勝で世代の頂点を極めた。
さらに、クイーンエリザベス2世Cでは世界の強豪を抑えて史上初となる香港ダービーとの同一年制覇を成し遂げ、チャンピオンズ&チャターCまで破竹の5連勝。このシーズンの最優秀中距離馬と最優秀ステイヤーを受賞し、瞬く間に中・長距離で最強の地位を固めた。
そのまま君臨するかに思われたヴェンジェンスオブレインだが、5歳のシーズンは少々不本意な形で終わってしまう。前哨戦と香港Cを連勝し、改めて実力を証明した矢先の調教中に心房細動を発症。最優秀中距離馬のタイトルこそ手にしたが、わずか4戦だけで休養を余儀なくされた。
復帰は翌シーズンの10月まで遅れ、12月の香港Cはフランスのプライドと日本のアドマイヤムーンの後塵を拝して連覇ならず。3月の香港ゴールドCでは1歳下のダービー馬ヴィヴァパタカに1番人気を奪われて王座も揺らぎはじめた。しかし、猛追をクビ差振り切ってダービー馬対決に勝利を収め、香港における2000mのG1級を完全制覇。続くドバイシーマクラシック遠征で香港競馬史に屈指の快挙を刻みつける。
香港にも既に2400mの国際G1(香港ヴァーズ)があったが、地元馬の優勝はG2時代(1998年)の1頭のみと世界に後れを取っていた。その鬼門ともいうべき条件で、ヴェンジェンスオブレインは英ダービー馬サーパーシーやメルボルンC2着の実績がある日本のポップロックらを撃破。帰国後はヴィヴァパタカに連敗したものの、ドバイでの快挙が物を言って2006/2007シーズンの年度代表馬に輝いた。
ヴェンジェンスオブレインは翌シーズンも現役を続けたが、重賞初制覇を飾った思い出のセンテナリーヴァーズで心房細動を再発。香港ジョッキークラブの規定により半年の出走停止措置を受けなければならず、総獲得賞金7541万500香港ドルで現役を退く決断が下された。
引退後のヴェンジェンスオブレインは生まれ故郷のニュージーランドで余生を過ごした。しかし、平穏な日々は長く続かず、心臓発作により11歳の若さでこの世を去っている。
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
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2008/02/02 | シャティン | センテナリーヴァーズ | 中止 | A.デルペッチ | 芝 | 1800 | 稍重 | |
2007/12/09 | シャティン | 香港カップ(G1) | 6 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 良 | |
2007/11/17 | シャティン | インターナショナルマイルトライアル | 5 | K.シーア | 芝 | 1600 | 良 | |
2007/06/03 | シャティン | チャンピオンズ&チャターカップ | 2 | A.デルペッチ | 芝 | 2400 | 良 | |
2007/04/29 | シャティン | クイーンエリザベス2世カップ(G1) | 2 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 良 | |
2007/03/31 | ナドアルシバ | ドバイシーマクラシック(G1) | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 2400 | 良 | |
2007/03/04 | シャティン | 香港ゴールドカップ | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 良 | |
2007/01/28 | シャティン | 香港スチュワーズカップ | 5 | A.デルペッチ | 芝 | 1600 | 良 | |
2006/12/10 | シャティン | 香港カップ(G1) | 3 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 良 | |
2006/11/19 | シャティン | インターナショナルマイルトライアル | 5 | A.デルペッチ | 芝 | 1600 | 良 | |
2006/10/29 | シャティン | プレミアボウル | 10 | A.デルペッチ | 芝 | 1200 | 良 | |
2005/12/11 | シャティン | 香港カップ(G1) | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 良 | |
2005/11/13 | シャティン | インターナショナルカップトライアル | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 良 | |
2005/10/16 | シャティン | シャティントロフィー | 5 | A.デルペッチ | 芝 | 1600 | 良 | |
2005/10/02 | シャティン | ハンデ戦 | 8 | A.デルペッチ | 芝 | 1400 | 良 | |
2005/05/29 | シャティン | チャンピオンズ&チャターカップ | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 2400 | 良 | |
2005/04/24 | シャティン | クイーンエリザベス2世カップ(G1) | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 良 | |
2005/03/13 | シャティン | 香港ダービー | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 稍重 | |
2005/01/30 | シャティン | センテナリーヴァーズ | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 2000 | 良 | |
2005/01/16 | シャティン | ハンデ戦 | 1 | A.デルペッチ | 芝 | 1600 | 良 | |
2004/09/11 | シャティン | ハンデ戦 | 3 | D.ホワイト | 芝 | 1600 | 良 | |
2004/06/20 | シャティン | ハンデ戦 | 2 | G.スコフィールド | 芝 | 1600 | 良 | |
2004/05/26 | シャティン | ハンデ戦 | 3 | T.ムンドリー | 芝 | 1400 | 良 | |
2004/05/01 | シャティン | ハンデ戦 | 10 | G.スコフィールド | 芝 | 1200 | 良 | |
2003/03/10 | フレミントン | サイアーズプロデュースステークス(G1) | 5 | D.ニコリッチ | 芝 | 1400 | 良 | |
2003/03/01 | コーフィールド | ヴーヴクリコステークス(L) | 1 | D.ニコリッチ | 芝 | 1200 | 良 | |
2003/02/15 | フレミントン | タリンダートステークス(L) | 3 | S.キング | 芝 | 1100 | 良 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
~1400m | 1 | 0 | 2 | 4 | 7 | 14% | 14% | 43% |
1401m~1800m | 1 | 1 | 1 | 5 | 8 | 13% | 25% | 38% |
1801m~2100m | 6 | 1 | 1 | 1 | 9 | 67% | 78% | 89% |
2101m~ | 2 | 1 | 0 | 0 | 3 | 67% | 100% | 100% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
良馬場 | 9 | 3 | 4 | 9 | 25 | 36% | 48% | 64% |
稍重馬場 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 50% | 50% | 50% |
重馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |
不良馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |