プロフィール
競走馬がG1レースを1勝するだけでも大変なことだが、地球を南北に分けて5勝ずつ、計10勝もしたのがソーユーシンク。日本のように整地された競馬場が多い南半球のオーストラリアから、地球の反対側に当たる北半球のヨーロッパへ移籍し、起伏に富んだ馬場をはじめ全く異なる環境でも活躍を続けた絶対的能力の高さは特筆物だ。
世界的に稀な実績を残したソーユーシンクは、育まれた環境も世界最高レベルだった。デビューしたオーストラリアではメルボルンC通算12勝を誇る“カップ・キング”ことB.カミングス調教師が管理し、そのうちの4頭を託したマレーシア人の大馬主ダト・タン・チン・ナム氏が主体となって所有。最強タッグによって基礎が作り上げられた。
2歳終盤にデビュー勝ちしたソーユーシンクは、明け3歳の通算3戦目にして重賞初制覇。続いてG1初挑戦のコーフィールドギニーは3番人気で5着と期待を下回る結果に終わったが、次戦でコックスプレート出走にこぎつけると後続を2馬身半と寄せつけず鮮やかに逃げ切り、その名を一躍とどろかせた。
ただ、ソーユーシンクはデビュー当初から喉鳴りの症状を抱え、異音を発しながら走り続けていた。次戦のカンタラSも同じようにハナを切り、今度は2馬身半差の2着に完敗すると、逃げる戦法を好まなかったカミングス師は鞍上のG.ボスに降板を告げる。ソーユーシンクも喉鳴りの手術を受けることになり、3歳シーズンの後半を療養に充てた。
ソーユーシンクは明け4歳早々にメムジーSで復帰したが、いざ実戦に移ると手術の効果はてき面だった。復帰戦では自身が留守の間にオーストラリアンダービー制覇などで台頭したシュートアウトに1馬身半差をつけて快勝し、改めて世代最強をアピール。2戦目のアンダーウッドS以降は中2週でヤルンバS、さらに中1週でコックスプレート連覇、そして連闘でマッキノンSと加速度的にG1レース4連勝を成し遂げる。そればかりか、中2日でカミングス師が十八番とするメルボルンCにも挑み、結果として敗れたものの3着と勝利に近づいた。
この大活躍はクールモアグループの目に留まり、ナム氏らから半分の所有権を得る形でアイルランドのA.オブライエン厩舎へ移籍することになった。半年の調整期間から欧州初戦を迎えたソーユーシンクは名刺代わりとばかりにG3を10馬身差で圧勝すると、次戦のタタソールズGCで早くもG1制覇。さらにエクリプスSでワークフォース、愛チャンピオンSではスノーフェアリーをそれぞれ半馬身退け、豪州の英雄から世界の超一流へとステップアップを果たす。その後は大目標としていた凱旋門賞でデインドリームのレコード駆けに遭い4着、さらにBCクラシック、翌年のドバイWCとダートに挑み、不慣れな条件でも大崩れなく活躍し続けた。
そして、ドバイから帰国するとタタソールズGCを6馬身差で連覇し、続くプリンスオブウェールズSでは女王エリザベス2世所有のカールトンハウスを下して前年2着の雪辱に成功。豪州の繁殖シーズンに合わせて次戦のエクリプスSを引退の舞台に選んでいたが、レースの数日前に厩舎内で跛行している姿が確認されると、そのまま現役を退く決断が下された。
豪州のクールモアスタッドで種牡馬入りしたソーユーシンクは、オーストラリアンダービー馬のクイックシンカー、ランドウィックギニー馬インファレンス、NZ1000ギニー馬ラベラディオサなど、G1をはじめ多数の重賞勝ち馬を輩出。期待に違わぬ成功を収めている。
生年 | 2006 |
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性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | High Chaparral |
母 | Triassic |
母父 | Tights |
調教師 | A.オブライエン |
生産者 | M J Moran & Piper Farm Ltd |
馬主 | クールモア |
通算成績 | 23戦14勝[14-4-1-4] |
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
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2012/06/20 | アスコット | プリンスオブウェールズステークス(G1) | 1 | J.オブライエン | 芝 | 2000 | 良 | |
2012/05/27 | カラ | タタソールズゴールドカップ(G1) | 1 | J.オブライエン | 芝 | 2100 | 良 | |
2012/03/31 | メイダン | ドバイワールドカップ(G1) | 4 | J.オブライエン | AW | 2000 | 良 | |
2011/11/05 | チャーチルダウンズ | ブリーダーズカップクラシック(G1) | 6 | R.ムーア | ダート | 2000 | 良 | |
2011/10/15 | アスコット | 英チャンピオンステークス(G1) | 2 | R.ムーア | 芝 | 2000 | 良 | |
2011/10/02 | ロンシャン | 凱旋門賞(G1) | 4 | S.ヘファナン | 芝 | 2400 | 良 | |
2011/09/03 | レパーズタウン | アイリッシュチャンピオンステークス(G1) | 1 | S.ヘファナン | 芝 | 2000 | 良 | |
2011/07/02 | サンダウン | エクリプスステークス(G1) | 1 | S.ヘファナン | 芝 | 2010 | 良 | |
2011/06/15 | アスコット | プリンスオブウェールズステークス(G1) | 2 | R.ムーア | 芝 | 2000 | 良 | |
2011/05/22 | カラ | タタソールズゴールドカップ(G1) | 1 | R.ムーア | 芝 | 2100 | 良 | |
2011/05/02 | カラ | ムーアズブリッジステークス(G3) | 1 | S.ヘファナン | 芝 | 2000 | 良 | |
2010/11/02 | フレミントン | メルボルンカップ(G1) | 3 | S.アーノルド | 芝 | 3200 | 重 | |
2010/10/30 | フレミントン | マッキノンステークス(G1) | 1 | S.アーノルド | 芝 | 2000 | 稍重 | |
2010/10/23 | ムーニーバレー | コックスプレート(G1) | 1 | S.アーノルド | 芝 | 2040 | 稍重 | |
2010/10/09 | コーフィールド | ヤルンバステークス(G1) | 1 | S.アーノルド | 芝 | 2000 | 良 | |
2010/09/18 | コーフィールド | アンダーウッドステークス(G1) | 1 | S.アーノルド | 芝 | 1800 | 良 | |
2010/08/28 | コーフィールド | メムジーステークス(G2) | 1 | S.アーノルド | 芝 | 1400 | 重 | |
2009/11/07 | フレミントン | カンタラステークス(G1) | 2 | G.ボス | 芝 | 1600 | 良 | |
2009/10/24 | ムーニーバレー | コックスプレート(G1) | 1 | G.ボス | 芝 | 2040 | 良 | |
2009/10/10 | コーフィールド | コーフィールドギニー(G1) | 5 | M.ロッド | 芝 | 1600 | 良 | |
2009/09/19 | ローズヒルガーデンズ | グローミングステークス(G3) | 1 | H.ボウマン | 芝 | 1800 | 良 | |
2009/09/05 | ランドウィック | ミンダイナスティクオリティ(L) | 2 | G.スコフィールド | 芝 | 1400 | 良 | |
2009/05/20 | ローズヒルガーデンズ | ハンデ戦 | 1 | H.ボウマン | 芝 | 1400 | 重 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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~1400m | 2 | 1 | 0 | 0 | 3 | 67% | 100% | 100% |
1401m~1800m | 2 | 1 | 0 | 1 | 4 | 50% | 75% | 75% |
1801m~2100m | 10 | 2 | 0 | 2 | 14 | 71% | 86% | 86% |
2101m~ | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0% | 0% | 50% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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良馬場 | 10 | 4 | 0 | 4 | 18 | 56% | 78% | 78% |
稍重馬場 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 100% | 100% | 100% |
重馬場 | 2 | 0 | 1 | 0 | 3 | 67% | 67% | 100% |
不良馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |