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名牝ウィジャボード死す 2度の欧州年度代表馬&2年連続参戦のジャパンCは06年に3着
プロフィール
ウィジャボードには2005年から2006年にかけて2年連続となるジャパンCでの来日や、海外での日本馬との対戦があり、記憶に残っているファンも少なくない。そんなウィジャボードの現役時の戦績は22戦10勝というものだったが、世界7か国・16か所の競馬場を渡り歩いての結果なのだから十分に評価できる。
2003年の秋にデビュー。2戦目に初勝利を挙げ、3戦1勝の成績で2歳時の競走を終える。3歳時は5月から始動。プリティポリーSで快勝すると、英オークスは7馬身差、愛オークスを1馬身差で勝利し、史上10頭目となる英・愛オークス制覇を達成。瞬く間に同世代牝馬の頂点へと昇り詰めた。
秋シーズンには、凱旋門賞に挑戦。この年の凱旋門賞には愛ダービー馬・グレイスワロー、パリ大賞を勝ったバゴなどが参戦した。ウィジャボードは後方からの競馬で末脚勝負に賭けたが、直線では前を行く馬群の壁をなかなか捌くことができずに苦しい競馬となってしまう。何とか抜け出してスパートを開始したが、時すでに遅し。勝ったバゴに迫るも3着に入るのが精一杯だった。
凱旋門賞から約1か月後、ウィジャボードはBCフィリー&メアターフへ出走するため海を渡りアメリカへと飛んだ。レースでは3番手の位置から直線を迎えると、先行していたフィルムメーカーを楽に捕えて1馬身半差の勝利。3つ目のG1勝利と共にカルティエ賞年度代表馬、最優秀3歳牝馬、エクリプス賞最優秀芝牝馬と3つのタイトルを獲得した。
古馬の秋シーズンにはBCフィリー&メアターフの連覇を目指して再び渡米。ここでは連覇こそ叶わなかったが2着と好走した。そして、日本、香港とアジア遠征へ。
ジャパンCはアルカセットがレコードタイムを叩き出した中で5着だったが、続いて出走した香港ヴァ―スではウィジャボードの強さが際立つ内容となった。スタートこそ良くなかったものの道中は後方でジックリと脚をためて、直線でスパートする。最後は2着に3馬身差を付けて圧勝。実にインパクトのある勝利だった。
5歳時はドバイシーマクラシックから始動して、香港のクイーンエリザベス2世カップにも出走。5歳になっても衰えることなく挑戦を続けた。
そして、前年に大敗したプリンスオブウェールズSへ。レースでは、直線で脅威の末脚が炸裂。初コンビとなったペリエ騎手がGOサインを出すと一気に他馬をゴボウ抜きし、最後はエレクトロキューショニストをキッチリと差して先頭でゴール。前年の雪辱を果たす形となった。
その後は秋に2度目のBCフィリー&メアターフ制覇を達成し、この年のカルティエ賞年度代表馬、最優秀古馬、エクリプス賞最優秀芝牝馬を受賞。2度の年度代表馬受賞はカルティエ賞の創設以降初めてであった。その後、ジャパンCへ挑戦するため2度目の来日。あのディープインパクトの前に3着と敗れはしたが、鋭い末脚を見せ力があることを証明した。
引退後は繁殖牝馬として第2の人生を歩んでいるが、2011年に生まれたガリレオとの牡駒オーストラリアが2014年の英ダービー、愛ダービーを勝つなど産駒も活躍を見せている。世界中を渡り歩き、多くの競馬ファンを魅了した彼女の雄姿は決して色あせることはないだろう。
生年 | 2001 |
---|---|
性別 | 牝 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | Cape Cross |
母 | Selection Board |
母父 | Welsh Pageant |
調教師 | E.ダンロップ |
生産者 | Stanley Estate And Stud Co |
馬主 | Lord Derby |
通算成績 | 22戦10勝[10-3-5-4] |
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
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2006/11/26 | 東京 | ジャパンカップ(G1) | 3 | L.デットーリ | 芝 | 2400 | 良 | |
2006/11/04 | チャーチルダウンズ | ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2200 | 良 | |
2006/09/09 | レパーズタウン | アイリッシュチャンピオンステークス(G1) | 2 | J.スペンサー | 芝 | 2000 | 良 | |
2006/08/05 | グッドウッド | ナッソーステークス(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 1980 | 良 | |
2006/07/08 | サンダウン | エクリプスステークス(G1) | 5 | C.スミヨン | 芝 | 2010 | 良 | |
2006/06/21 | アスコット | プリンスオブウェールズステークス(G1) | 1 | O.ペリエ | 芝 | 2000 | 良 | |
2006/06/02 | エプソム | コロネーションカップ(G1) | 2 | L.デットーリ | 芝 | 2410 | 良 | |
2006/04/23 | シャティン | クイーンエリザベス2世カップ(G1) | 3 | L.デットーリ | 芝 | 2000 | 良 | |
2006/03/25 | ナドアルシバ | ドバイシーマクラシック(G1) | 4 | K.ファロン | 芝 | 2400 | 良 | |
2005/12/11 | シャティン | 香港ヴァーズ(G1) | 1 | K.ファロン | 芝 | 2400 | 良 | |
2005/11/27 | 東京 | ジャパンカップ(G1) | 5 | K.ファロン | 芝 | 2400 | 良 | |
2005/10/29 | ベルモントパーク | ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(G1) | 2 | J.ベイリー | 芝 | 2000 | 良 | |
2005/09/24 | ニューマーケット | プリンセスロイヤルステークス(G3) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2400 | 良 | |
2005/06/15 | ヨーク | プリンスオブウェールズステークス(G1) | 7 | J.スペンサー | 芝 | 2000 | 良 | |
2004/10/30 | ローンスターパーク | ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(G1) | 1 | K.ファロン | 芝 | 2200 | 稍重 | |
2004/10/03 | ロンシャン | 凱旋門賞(G1) | 3 | J.ムルタ | 芝 | 2400 | 良 | |
2004/07/18 | カラ | 愛オークス(G1) | 1 | K.ファロン | 芝 | 2400 | 良 | |
2004/06/04 | エプソム | 英オークス(G1) | 1 | K.ファロン | 芝 | 2410 | 良 | |
2004/05/02 | ニューマーケット | 英プリティポリーステークス(L) | 1 | K.ファロン | 芝 | 2000 | 良 | |
2003/11/01 | ニューマーケット | モントローズフィリーズステークス | 3 | J.スペンサー | 芝 | 1600 | 良 | |
2003/10/21 | ヤーマス | 条件戦 | 1 | J.スペンサー | 芝 | 1400 | 良 | |
2003/10/03 | ニューマーケット | 未勝利戦 | 3 | E.アハーン | 芝 | 1400 | 良 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
~1400m | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 50% | 50% | 100% |
1401m~1800m | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0% | 0% | 100% |
1801m~2100m | 3 | 2 | 1 | 2 | 8 | 38% | 63% | 75% |
2101m~ | 6 | 1 | 2 | 2 | 11 | 55% | 64% | 82% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
良馬場 | 9 | 3 | 5 | 4 | 21 | 43% | 57% | 81% |
稍重馬場 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100% | 100% | 100% |
重馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |
不良馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |