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伏兵アダイヤーが英ダービーで番狂わせ、フランケル産駒は初制覇

2021年06月06日 09:17

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 今年で242回目を迎えたG1英ダービー(3歳牡・牝馬、芝12ハロン)がエプソム競馬場で現地5日に行われ、スローペースを好位3、4番手で進めた7番人気のアダイヤーが直線でラチ沿いの狭いスペースから突き抜け波乱を呼んだ。

 4馬身1/2差の2着に中団の後ろから2戦未勝利で最低10番人気タイのモジョスター、さらに3馬身1/4差の3着には中団追走の2番人気ハリケーンレーンが入線。1番人気のボリショイバレエは勝ち馬と並走するような状態から反応できず7着に完敗し、母スノーフェアリーのジョンリーパー(3番人気タイ)は最後方追走で展開が合わず9着に沈んだ。

 なお、モハーフェスが馬場状態を理由に出走を取り消し、陣営はロイヤルアスコット開催での仕切り直しを示唆している。

 アダイヤーは父フランケル、母が2010年の愛1000ギニー2着馬アンナサライで、C.アップルビー調教師が管理するゴドルフィンの所有馬。昨年10月14日にデビューして2週後の2戦目で勝ち上がり、それから半年後の今季初戦はG3クラシックトライアル、2戦目もリステッドのダービートライアルステークスでともに2着に敗れていた。また、フランケル産駒は英ダービー初制覇となった。

 殊勲のA.カービー騎手はジョンリーパーの騎乗を予定していたもののL.デットーリ騎手に変更となり、直前でアップルビー陣営から指名を受けての勝利。カービー騎手は「浮き沈みあった。それが競馬だけど、最高峰のチャーリー・アップルビーに声を掛けてもらった。彼には感謝しきれない。本物のジェントルマンで偉大な調教師さ。まるで信じられない。まだピンと来ないよ」「ラチに着いていたら、幸運にも馬に根性があってすり抜けてくれた。ゴールへまっしぐらだったよ」とアップルビー師とアダイヤーに感謝しきりだった。

 一方、2008年のマサーに続き2度目のダービー制覇となったアップルビー師は、O.マーフィー騎手にアダイヤーを依頼したもののカービー騎手に変更していた。「彼は私が調教師になってからレースや調教でたくさんの貢献を果たしてくれた」「アダム(カービー騎手)が乗れるとなったら依頼するようにしている。オイシン(マーフィー騎手)も“あなたの言うことは分っていたし理解しています”と言ってくれたから、彼のスポーツマンらしさに大いに感謝している」と、カービー騎手との関係性に言及している。