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【凱旋門賞】会見でクロノ斉藤崇師「勝てるかどうかはラッキーかどうか」

2021年09月29日 23:30

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 凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月3日=パリロンシャン)にクロノジェネシス(牝5、斉藤崇)を送り出す、斉藤崇史師(39)がオンライン会見に出席した。一問一答は以下の通り。

  ◇  ◇

-クロノジェネシスはいつフランスに入ったか。また、馬の状態も聞かせてほしい

斉藤崇師 フランスには9月24日に到着し、25日は引き運動だけを行いました。26日からエーグルのウッドチップの坂路で少し乗っていまして、今日、オイシン・マーフィー騎手に乗ってもらって追い切りをしました。馬はこちらに着いてからもおとなしくて落ち着いていますし、輸送もスムーズにこなせたので、とてもいい状態で今日を迎えられたんじゃないかなと思います。

-追い切りの内容と馬体重は日本と比較してどうか

斎藤崇師 日本である程度の仕上げはしてきているので、今日もマーフィー騎手と話をして、そんなに強くなりすぎないようにという内容で行いました。芝コースで最後を伸ばす動きだったんですけど、とてもいい動きだったと思いますし、初めての環境でしたけども、いい走りができていたんじゃないかなと思います。馬体に関しても十分フィットしている状況だと思います。体重計がないのでこちらでは量れていませんけども、日本で競馬を使う前と同じような状況のように見受けられます。

-今年はレースを2回しか走っていなくて、最後に走ったのが6月の宝塚記念。レースの数が少ないのは何か計算があるのか

斉藤崇師 間隔を詰めて使うと良くない馬だとすごく感じていたので、なるべくなら2、3カ月に1回でずっと使ってきた。今回に関しても前走が6月の終わりに走ってから約3カ月ですけども、(前走から)3カ月というのは彼女にとって普通のことだと思います。前哨戦を使わないとか、間隔が開いているとかは気にしなくていいのかなと思います。なるべくレースに出る回数を少なく、と思って使っています。

-5歳になってさらに成長したと思うが、今春のドバイシーマC2着の頃からすでに凱旋門賞を見据えていたのか

斉藤崇師 昨年末に有馬記念を勝たせてもらって、今年は凱旋門賞を視野に入れてレース選択をしようと思っていました。秋にフランスに運ぶ意味でも春にドバイ遠征を経験させておくということが、私にとってもひとつの選択肢でしたし、あれを経験したことで今回の輸送がスムーズになったのではないかと思います。

-日本の調教師は開業前に海外研修をすることが多い。斉藤崇師はどこかに研修へ行っていたか

斉藤崇師 大学生のころに少しアイルランドで勉強させていただいたのと、あとは(助手時代に)馬と一緒にドバイ、アメリカ、イギリス。1カ月半くらいずつ、経験しました。

-海外でいろんな経験をされていると思うが、今の斉藤崇師はその経験を参考にしているのか、それとももともとあるご自身の理論にその経験を落とし込んでいるのか

斉藤崇師 いろんな国でいろんな調教のやり方があると思いますが、それをひとつひとつ経験させてもらっていることはすごく大きなこと。海外に行ったときに限らず、日本にもいろんな馬がいろんなことを僕に教えてくれるので、それをひとつひとつ経験値としてためながら、どのような状況になってもいい状態で馬が競馬に使えるように今は学んでいる途中です。

-重馬場に対して対応できるか。週末にかけて天気も悪くなる

斉藤崇師 馬場に対しては日本馬がこちらに来るときによく言われることのひとつ。クロノジェネシスはどの馬場になっても、どの競馬場に行っても常に一生懸命走ってくれる。それがこの馬の一番いいところだと僕自身が感じている。今回の馬場がどんな馬場になっても一生懸命走ってくれるんじゃないかな、と。その上でもしかしたら苦労するかもしれないが、それによって彼女がダメになることはないと思う。

-今年は16頭立て

斉藤崇師 みんなそれぞれいいレースをしてきているので、全ての馬が強いと思います。相手がどうこうは興味がある話ではなくて、ハッピーな状況で競馬にいけることが第一。オイシンがレースを組み立ててくれると思うので、そこから先は僕の考えることではないと思います。

-希望の枠順は

斉藤崇師 特にないので、それから先はオイシンさんに聞いてもらいたいと思います。

-12、13年2着だったオルフェーヴル以来、凱旋門賞を勝つチャンスがあると言われている

斉藤崇師 そう言われるのはすごく光栄なこと。皆さんがそう言っているのなら、そうなのかなと。私にとってはいい状況で馬を使うのが仕事。そうなれるようにここまで順調にきている。勝てるかどうかは、ラッキーかどうかかなと思います。

-日本でG1をたくさん勝ってきたが、凱旋門賞は今までのG1と同じレベルか、もっと難しいレースか

斉藤崇師 うーん・・・、どうなんでしょうね。どのレースも勝つのが難しいと思うし、どのレースも勝ちたいと思って使います。結果が出るかどうかはわからないけど、良い状況で使えるという風にここまでこられているのは僕にとってはうれしいこと。

-16年に開業されて、年齢も若いながら凱旋門賞にクロノジェネシスを出走させる。開業5年でここまできたことをどう感じるか。また凱旋門賞はどのようなレースか

斉藤崇師 開業してから多くの方に助けていただいて、クロノジェネシスのオーナーであるのサンデーレーシングさんをはじめ、すごいオーナーの方々にたくさんの馬を預けてもらって、ここに来られているのはすごく光栄なこと。何よりもクロノジェネシスに出会えたことが自分にとってラッキー。彼女から教えてもらっていることもいっぱいありますし、今回ここに来られたことも自分にとってもひとつの経験としてすごく大事なことになるかなと思います。今後ももっともっといろんな馬でチャレンジができたら。凱旋門賞に関しては昔から有名なレースのひとつですし、海外のレースの中でこれが一番かというと、僕に中ではアイルランドでの思い出もありますし、一番かどうかわからないですけど、世界的なビッグイベントだと思います。大きなレースであることはわかっているんですけど、凱旋門賞だから特別というわけでもないですし、日本のG1であったり、G1でないレースも含めて常に馬がどうやって成績を残すかを考えてやっている。今回が特別という感じはしていません。

出典:日刊スポーツ