オーギュストロダンがG1愛チャンピオンSを快勝、キングジョージの悪夢を払しょく
2023年09月10日 10:08
G1アイリッシュチャンピオンステークス(3歳以上、芝10ハロン)が現地9日にレパーズタウン競馬場で行われ、ディープインパクト産駒の英・愛ダービー馬オーギュストロダンが3番手追走からゴール前で1/2馬身抜け出し1番人気に応えた。
レースは昨年の覇者で3番人気のルクセンブルクが逃げ、8番人気のポイントロンズデールが離れず2番手、オーギュストロダンは先頭から3馬身ほどの3番手で中間点を通過。A.オブライエン厩舎の3頭が主導権を握って淡々と直線に向かうと、オーギュストロダンが粘るルクセンブルクを最後の1ハロンで差し切った。
中間点ではオーギュストロダンから5馬身余りの後方2番手につけていた4番人気のナシュワがルクセンブルクに短アタマ差の3着に追い込み、2番人気のキングオブスティールは5、6番手から伸び切れず4着に終わった。
オーギュストロダンは愛ダービーに続く4度目のG1制覇で重賞5勝目。英・愛ダービー制覇から臨んだ前走のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは1番人気に推されながら見せ場なく最下位の10着に惨敗したが、この日は終始スムーズなレース運びで巻き返した。
このレース5連覇で通算12勝目としたオブライエン師は、地元メディアの『irishracing.com』などに対してオーギュストロダンが前走で惨敗した原因を「全てが上手く行かなかったのだと思う。馬場状態が彼に合わず、枠順も外だった」「上手く行かなかった原因はたくさんあるが、その半分でも変われば今日はチャンスがあると分かっていたよ」とコメント。
その上で英2000ギニー(12着)とキングジョージでは空輸だったことを念頭に「エプソム(英ダービー)には船で輸送した」「彼を再び空輸するなら、もう少し時間をかける必要がある」「彼は非常にタフで我慢強い素晴らしい馬だが、風変りな面があるんだ。(オブライエン師の妻の)アンマリーが厩舎で彼を見ていたのだが、彼の周りで何か起きると眠ることなく一晩中起きているという」「恐らく彼はとても繊細で、何でも気になるのだろう」とオーギュストロダンの精神面に言及した。
なお、オブライエン師はオーギュストロダンの今後について米ブリーダーズカップ遠征の可能性が高いと明言。「ターフになるだろうね。ダートは万が一が怖い」と話している。