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D.オリヴァー騎手が有終の美、引退戦の豪G3A.J.スケイヒルSで劇的勝利

2023年12月17日 10:41

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 豪アスコット競馬場で現地16日にG3ながら賞金総額150万豪ドル(約1億4300万円)のA.J.スケイヒルステークス(3歳以上、芝1400m)が16頭により争われ、このレースを最後に引退するD.オリヴァー騎手がムンハメク(2番人気タイ)に騎乗して劇的な勝利を飾った。

 14番という大外に近い枠順となったムンハメクだが、オリヴァー騎手がスタート早々に控えて後方2、3番手を追走。内ラチ沿いに潜り込んで迎えた直線では進路がなく苦しい追撃となるも、残り100mでわずかに開いた馬群をこじ開けるように末脚を伸ばし、最後の50mから大歓声に包まれて0.52馬身抜け出した。

 中団追走の1番人気リップコードが2着、さらに0.65馬身差でコンフォートミー(2番人気タイ)が3着に続いた。

 ムンハメクはN.ライアン調教師が管理するダークエンジェル産駒の8歳セン馬で、イギリス生まれのため実際の馬齢は7歳秋に相当する。2019年に英国でデビュー後、2020年には香港に移籍し、昨年8月のシーズン開始から現在のライアン厩舎へ。今回が3度目の重賞挑戦で初制覇となった。

 なお、レースはA.J.スケイヒルSの登録名に代わり敬意を表して「ダミアンオリヴァーゴールドラッシュ」の名称で行われ、有終の美を飾ったオリヴァー騎手にとっては通算3189勝目。豪競馬メディア『Sky Racing』のインタビューに応えたオリヴァー騎手は「夢が叶った。信じられないよ、少し安心した。注目されることは私にはどうしようもないからね。でも、今日、このアスコットに集まった観衆の歓待はたまらないね」と感慨に浸ると「フィニッシュまであれ以上の方法は考えられなかった。直線入口では一か八かだったんだ」と際どい直線の攻防を振り返っている。