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香港から駆けつけたアッゼニ騎手、豪G1シドニーCで亡き騎手仲間に捧げる勝利

2024年04月14日 10:08

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 豪ランドウィック競馬場で現地13日に行われたG1シドニーカップ(3歳以上、芝3200m)は、このレースのために香港から駆けつけたA.アッゼニ騎乗の1番人気サークルオブファイアが、好位追走から直線入口で先頭に立つ横綱相撲で完勝した。

 14番枠のサークルオブファイアは1周目のゴール板前を中団で通過するも、向正面に向かって位置を上げていき3番手で最終コーナーへ。1周目の直後から一旦離れて再び追撃してきた2番人気アサバスカンを直線で突き放した(2.07馬身)。

 さらに0.52馬身差の3着に6番手キープのカラプール(6番人気タイ)が続き、前走で久々の重賞勝ちを飾った8番人気サーペンタインは中団から追い上げ及ばず4着に終わった。

 サークルオブファイアはアルマンゾル産駒の4歳牡馬で、エリザベス2世の生産・所有により2022年8月に英国でM.スタウト厩舎からデビュー。チャールズ3世夫妻の相続後に現在の馬主に売却されてC.マー調教師の管理に移った。4月6日にG2チェアマンズクオリティで重賞初制覇を飾り、今回は連闘でのG1初挑戦だった。

 豪競馬メディア『racing.com』によると、同馬を勝利に導いたアッゼニ騎手は落馬事故により4月3日に死亡した同じイタリア出身のS.ケルキ騎手と親交が深く、葬儀に立ち会うなど先週から3度にわたって香港とオーストラリア間を行き来していた。アッゼニ騎手は「我々はニューマーケットでともに長い時間を過ごし、彼がオーストラリアに移籍後もよく連絡を取り合っていたんだ。私がここに来て彼のために勝負することが、良い送別になると思った」と話し、アッゼニ騎手の騎乗を見守るために競馬場に駆けつけたというケルキ騎手の遺族を労わるコメントを残している。