凱旋門賞

Qatar Prix de l'Arc de Triomphe

2018/10/07(日) 23:05発走 ※発走日時は日本時間

パリロンシャン競馬場

沿革

沿革

凱旋門賞(G1)
2018年10月7日(日)23:05
フランス パリロンシャン競馬場
芝右2400m 3歳以上(セン馬不可)
4歳牡馬 59.5kg
3歳牡馬 56.5kg
(牝馬1.5kg減)

賞金総額:約6億6000万円(500万ユーロ)
1着賞金:約3億7712万円(285万7000ユーロ)
(1ユーロ=132円で換算)

第一次大戦におけるフランスの戦勝記念と、戦時下で衰退した競馬産業の再生も期して1920年(大正9年)に創設された凱旋門賞。今年で第97回(第二次大戦下の1939年と1940年は中断)と100回の節目を目前に控え、歴史と伝統を誇る世界最高峰の芝レースの一つとして不動の地位を築いている。

舞台のパリロンシャン競馬場はスタンド改修工事により2016年と2017年は閉鎖され、凱旋門賞もシャンティイ競馬場で代替開催された。2018年は新装となった競馬場での初開催となり、直線入口から内側へ食い込むような「オープンストレッチ」を導入。従来と比較して内へ約6mのコース幅拡大が図られたことによって馬群が分散し、実力を発揮しやすくなることが期待されるが、2018年の凱旋門賞では馬場状態を考慮して使用されないことになった。

コース改修が今後のレース傾向に影響を及ぼす可能性も考えられるが、昨年までの実績では地元のフランス馬が有利で、過去96回のうち66勝と約7割の勝率を誇っている。さらに、3歳馬の56.5kgに対して4歳以上の古馬は59.5kgと、3kgもの斤量差(牝馬は1.5kg減)があるため、3歳馬が59勝を挙げて勝率は約6割。それらを要約するとフランスの3歳馬中心というデータが浮かび上がる。

ただし、2005年に仏ダービーの距離が2400mから2100mに短縮されて以来、素質馬の中距離志向が進んでフランス3歳牡馬の存在感は薄らいでいる。また、凱旋門賞の前哨戦に位置づけられる3歳G2ニエル賞や古馬G2フォワ賞、牝馬G1ヴェルメイユ賞と、英国のセントレジャー・フェスティバル、アイルランドのチャンピオンズ・ウィークエンドの開催日程が重複して強豪馬が分散するようになり、相対的にフランス馬の影響力は低下傾向にある。

斤量の関係で3歳馬有利なこともあり連覇は難しく、これまでにクサール(1921、1922年)、コリーダ(1936、1937年)、タンティエーム(1950、1951年)、リボー(1955、1956年)、アレッジド(1977、1978年)、そしてトレヴ(2013、2014年)の6頭しか達成できていない。

<調教国別の勝利数>
フランス 66頭
イギリス(UAE含む) 14頭
アイルランド 8頭
イタリア 6頭
ドイツ 2頭

UAEの3頭は稼働期の大半をイギリスで過ごしており、実質的に欧州域外は未勝利。2着まで対象を広げても、欧州域外からの該当馬は日本のエルコンドルパサー(1999年)とナカヤマフェスタ(2010年)、オルフェーヴル(2012、2013年)、ニュージーランドのバルメリーノ(1977年)の4頭(計5回)しかいない。

日本調教馬は過去に20頭が計15戦し、前述の3頭による2着(計4回)が最高。欧州域外からの挑戦としては例外的な健闘を見せているが、他に5番手以内でゴールしたのはディープインパクト(3位入線も失格)、キズナ(4着)の2頭しかおらず、全体的には苦戦している。

騎手ではL.デットーリが2017年にエネイブルで5勝目を挙げて単独最多に立った。伝説的ジョッキーのY.サンマルタン、その好敵手として名を馳せ、現在は調教師として活躍中のF.ヘッド、日本でもおなじみのO.ペリエが4勝で続く。

調教師は地元フランスのA.ファーブルが7勝で単独最多。ディープインパクトを破った2006年のレイルリンクを最後に勝利から遠ざかっているものの、2017年にはクロスオブスターズを2着に送り込むなど、第一人者として健在ぶりをアピールしている。