ベルモントステークス

Belmont Stakes

2019/6/9(日)7:37発走 ※発走日時は日本時間

ベルモントパーク競馬場

日本馬挑戦の歴史

日本馬の歴史

偉大なる3着、日米競馬史に残るラニのチャレンジ

日本調教馬によるベルモントステークス出走は過去1頭のみ。2016年のラニによって実現し、3着に善戦して大成功というべき結果を残したが、この他にも挑戦表明した馬がいる。2008年のカジノドライヴ、2017年のエピカリスの2頭だ。ラニの活躍によって日本調教馬でも通用する印象がある一方、両雄は現地入りしながら調整中の負傷によって直前回避を余儀なくされており、海外遠征の難しさを浮き彫りにしてきた歴史がある。

カジノドライヴは半兄のジャジルが2006年、半姉のラグズトゥリッチズも2007年にベルモントSを制していた。デビューが明け3歳の2月と遅れたカジノドライヴだが、その初陣では2着馬に2秒3の大差をつけて大器の片鱗をのぞかせる。そして、オーナーが胸に秘めていたベルモントSへの挑戦が決定した。

キャリア1戦で異例の海外挑戦、それも未知の面が多いアメリカのダート競馬。まずは前哨戦のピーターパンステークスで経験を積むことになったが、試金石の一戦を好位追走から5馬身余り抜け出して圧勝する。この勝利は日本調教馬による米ダート重賞初制覇の快挙となり、米国内でも兄姉に続き得る逸材と評価が急騰した。しかし、本番前日になって左後肢に挫石を発症し、無念の出走回避。日米の夢と期待を背負ったチャレンジは、ゲートに並ぶことも叶わず潰えてしまった。

2016年に日本調教馬としてベルモントSに初出走を果たすことになったラニは、引退後にアメリカへ渡った天皇賞馬ヘヴンリーロマンスを母、チャンピオン種牡馬のタピットを父に持つ、カジノドライヴに負けず劣らずの良血。ドバイのUAEダービーで海外遠征を済ませていただけでなく、優勝まで果たした。

ラニは三冠戦を目指してドバイから直接アメリカ入り。初戦のケンタッキーダービー9着、続くプリークネスステークス5着と徐々に着順を上げ、迎えたベルモントSでついに自身の走りを取り戻す。レースではいつものように後方から追走し、直線では大外から猛然と追い上げる大きな見せ場。1馬身半ほど及ばず3着に敗れたものの、本場のクラシックレースで上位争いに加わり、日米の競馬史に残る偉大な足跡を刻んだ。

この快挙に続けとばかり翌年もエピカリスがアメリカを目指す。ラニと同様にUAEダービーで勝ちに等しい2着と結果を出した後、米三冠最終戦のベルモントSに狙いを絞る必勝態勢が敷かれた。しかし、現地入りまで果たしながら右前肢の蹄を痛め、懸命の治療が施されたもののレース当日に断念を余儀なくされた。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2017 エピカリス 牡3 取消 C.ルメール 萩原清
2016 ラニ 牡3 3 武豊 松永幹夫
2008 カジノドライヴ 牡3 取消 E.プラード 藤沢和雄