UAEダービー圧勝の勢いとともに挑んだ前走のケンタッキーダービーは、日本調教馬として歴代最高に並ぶ6着でフィニッシュしたものの、やや悔いの残る内容になってしまった。ゲートで一完歩遅れるような形になり、道中は中団より後ろを追走。直線では上位争いに食らいついたが、最後は伸び負けて差を広げられた。レース後に音無秀孝調教師は「できれば好位差しをしてほしかった」「ゲートの出遅れが全て」、C.ルメール騎手も「もっと走れると思いましたが、ジリジリとしか伸びませんでした」と振り返っている。

UAEダービーのデルマソトガケはゲートを決めて軽快に逃げ、そのまま5馬身半差を開いて圧勝した。その前走、サウジダービーもKYダービーと同様に発馬が今ひとつ。先行2頭に大きく離され、3番手で入った直線は後続の追撃を封じながらジリジリと差を詰めたが、着順までは変えられなかった。これらのレース内容やKYダービー時のコメントからも、スピード、先行力を生かすスタイルが合っているということだろう。

この遠征に向けては左前肢の蹄を痛めて日本テレビ盃を見送り、ぶっつけ本番になる誤算が生じたものの、日本から直接現地入りできる面では、サウジ、ドバイから転戦したKYダービー時の経験があるのは大きい。力を出し切れる状態でゲートさえ決めれば、KYダービー以上の結果を期待できるかもしれない。