2017年のエネイブル、2018年のロアリングライオンと、管理馬を2年連続で欧州年度代表馬に導いたJ.ゴスデン調教師。その名伯楽が率いる厩舎は昨シーズンの前半にエネイブルを故障で欠いたが、同世代のロアリングライオンとともに盛り立てたのがウィズアウトパロールだ。

2歳の12月にオールウェザーコースでのデビュー戦を圧勝し、英2000ギニーの有力馬として注目を集めるも挫跖により頓挫。計画を変更して初芝の復帰戦も圧勝すると、3戦目には準重賞を勝って再びスポットライトを取り戻す。そうして迎えたセントジェームズパレスステークスでは、愛2000ギニー馬ローマナイズドや今回のドバイターフでも対戦するゴドルフィンのウートンらを寄せつけず、無傷の4連勝でG1初制覇を果たした。

その後はサセックスステークスで古馬と初対戦するも、L.デットーリ騎手が騎乗停止中で手綱を取れず、レースでも押し出されるように先頭に立たされて初黒星。続く英インターナショナルステークスでは6着、さらにムーランドロンシャン賞でも6着と、失ったリズムを取り戻せないままシーズンを終えている。尻すぼみの印象を拭えない昨年の戦績だが、ゴスデン師はG1勝ちの段階でも未熟とし、成長とともにキレを増すという評価を下していた。半年余りの休養を経て迎える実戦で、名伯楽の言葉が現実の物となるなら侮れない。

ウィズアウトパロールの競馬データ