無傷のデビュー4連勝でオークス馬となったラヴズオンリーユー。2着のカレンブーケドールとはクビ差だったが、目の覚めるような末脚で差し切った勝ちっぷりは、同世代の牝馬で頭ひとつ抜けた実力を印象づけるものだった。しかし、その後は右前肢の蹄を痛めて秋華賞に間に合わず、エリザベス女王杯に直行したものの3着で初黒星。さらには疲労により予定していたジャパンCを回避し、香港ヴァーズに目標を切り替えるも回復が遅れて断念と歯車が狂っていった。

立ち直った昨春はドバイシーマクラシックを狙うも今度は開催中止。帰国初戦のヴィクトリアマイルは距離不足もあり初めて掲示板をはずし、巻き返しを期した鳴尾記念では追いくらべの末にハナ差の2着、前年の雪辱を期したエリザベス女王杯もクビふたつ及ばず再び3着と勝てない日々が続いた。そして、その間にはオークスで3馬身近い差をつけたクロノジェネシスが台頭し、久々の顔合わせとなった有馬記念で大敗を喫するなど、すっかり立場を逆転されてしまった。

それでも、ラヴズオンリーユーは前走の京都記念で長く脚を使い、ゴール前でもうひと伸び利かせるオークスのような走りを再現。1年9か月ぶりの勝利で復活の狼煙を上げた。ようやく反撃の態勢が整ったドバイシーマクラシックは、クロノジェネシスから主導権を奪い返す好機としたい。