沿革
フォワ賞(G2)
9月11日(月)0時35分 ※日本時間
フランス シャンティイ競馬場
芝右2400m 4歳以上
牡馬 58kg ※セン馬不可
(牝馬1.5kg減)
賞金総額:約1690万円(13万ユーロ)
1着賞金:約963万3000円(7万4100ユーロ)
(1ユーロ=130円で換算)
フォワ賞は同日に行われる3歳限定のG2ニエル賞、牝馬限定のG1ヴェルメイユ賞とともに「アークトライアル」にまとめられ、3週後に行われる凱旋門賞の前哨戦に位置づけられている。
凱旋門賞と同様、本来はロンシャン競馬場の芝2400mが舞台となるが、同競馬場の改修工事に伴い、2016年に引き続き2017年もシャンティイ競馬場の2400mで施行される。
フォワ賞の創設は、凱旋門賞に遅れること35年の1955年。これと同時に「シャンティイ賞」の名称で行われていたニエル賞(1972年に改称)が、現在と同じ3歳限定の2400mへと条件変更となった。フォワ賞は1971年のグループ制導入でG3に格付けされ、1998年のG2昇格を経て現在に至っている。
G2昇格翌年の1999年にはエルコンドルパサーが日本調教馬として初優勝。2012年と2013年にはオルフェーヴルが連覇し、両馬は凱旋門賞でも2着に善戦している。また、2010年のナカヤマフェスタもフォワ賞2着から凱旋門賞2着の成績を残しており、これまで凱旋門賞で2着と最先着を果たした日本の3頭は、すべてフォワ賞連対からの臨戦。日本調教馬にとって、フォワ賞は凱旋門賞チャレンジの不可欠なルートとなっている。
だが、日本調教馬と凱旋門賞をつなぐ要衝というべきフォワ賞でも、地元のフランスや諸外国馬にとっては機能していると言い難い。日本調教馬を除けば、フォワ賞と凱旋門賞を連勝したのは1984年のサガスが最後。同じ臨戦では1992年のスボーティカがフォワ賞2着から凱旋門賞を制しているが、それから約四半世紀にわたり、フォワ賞経由で凱旋門賞に勝った馬は誕生していない。
このように現状は前哨戦として存在感が希薄化しているフォワ賞だが、かつては最強ルートとされていたニエル賞も、2006年のレイルリンクを最後に凱旋門賞馬を輩出できずにいる。だが、フォワ賞と同じ日に行われるステップレース、G1ヴェルメイユ賞からの臨戦でトレヴが凱旋門賞連覇(2013、14)を成し遂げるなど、歴史の潮目に変化も見られるだけに、フォワ賞からの凱旋門賞挑戦で実績を築いてきた日本調教馬が、近いうちに風穴を開ける可能性は十分にある。