凱旋門賞の地元・フランス勢は1990年代の10年間に10戦9勝と圧倒的な強さを誇っていたものの、2000年以降は昨年まで8勝9敗の負け越し。最近10年でも4勝6敗と外国勢に押されている。こうした悪い流れに楔を打つべく今年期待されているのが、クロスオブスターズと超良血馬ザラック、そして3歳牡馬クラシック2冠のブラムトだ。この中でフォワ賞に姿を見せそうなのがクロスオブスターズ。3歳の昨年はG1英ダービーで完敗、お世辞にもハイレベルとは言えなかったG1パリ大賞でも3着と力不足を露呈したが、それから8か月の休養を経て復帰した今春、一気に素質を開花させた。

今季初戦は3月のG3エクスビュリ賞を1馬身1/4差で快勝。次戦ではG2アルクール賞に臨み、ここもクビ差でものにした。続くガネー賞ではザラックを短クビ差で抑えてG1初制覇。G3、G2からの3連勝でG1ホースの仲間入りと、絵に描いたようにステップアップして勢いを見せつけた。アルクール賞で負かしたメクタールはイスパーン賞、ガネー賞のザラックもサンクルー大賞でG1初制覇を飾っており、対戦してきた相手の質も高い。凱旋門賞7勝を誇る名伯楽A.ファーブル調教師が、秋に備えてロイヤルアスコット開催を自重し、ここまで温存してきた経緯があるだけに、一段と成長してくるようなら怖い存在だ。

クロスオブスターズの競馬データ