フォワ賞

Qatar Prix Foy

2017/9/11(月)0時35分発走 ※発走日時は日本時間

シャンティイ競馬場

見どころ

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現地で追い切りを行ったサトノダイヤモンド(手前)とサトノノブレス(奥)。(photo by Kazuhiro Kuramoto)

打倒エネイブルへ サトノダイヤモンドは結果も内容も問われる

欧州の競馬における前哨戦と本番の関係は、日本におけるそれと比較しても臨戦態勢に大きな隔たりを感じさせる。前哨戦はあくまで準備期間の一部と位置づけ、仕上げはもちろん、レースでの組み立ても全く異なるのが当たり前。まるで別物のような内容になることが多いが、そうした関係性にあっても、結果を残せるだけの実力と対応力が求められる。

現時点で、現地10月1日に行われる凱旋門賞に何頭が出走するのかは不明。昨年は16頭によって争われたが、今年は英愛オークスやキングジョージを圧勝した3歳牝馬エネイブルが大きな注目を集めており、あるいは相手が強いと見た陣営が手を引いて少頭数になる可能性もある。

アウェイの戦いに臨むサトノダイヤモンドは、このフォワ賞から凱旋門賞まで一貫してチャレンジャーの立場。相当な実力を秘めていることは間違いないエネイブルに打ち勝ち、日本調教馬にとって悲願の凱旋門賞制覇を成し遂げるためには、予行演習のフォワ賞から本番までの間に相当な上積みを求められることになる。

すなわちフォワ賞は、前哨戦といえども負けられない戦いとも言える。

勝負事に絶対はなく、ときに不測の事態に見舞われて苦汁を飲むケースもある。しかし、過去に凱旋門賞で好走した日本調教馬がそうであったように、後れを取っても2着までが限界。まして、今回のサトノダイヤモンドは前哨戦から僚馬サトノノブレスとともに挑むだけに、他陣営に付け入る隙を与える訳にはいかない。

近年ではオルフェーヴルが勝ったフォワ賞、マカヒキが制した昨年のニエル賞のように、凱旋門賞トライアルは「超」がつくようなスローペースからの上がり勝負が定番となっている。今年はサトノダイヤモンドが前売りで一本被りの人気を集めていることもあり、ライバル陣営のマークを受ける格好になる。レースはサトノノブレスが逃げてペースを抑え、その背後からサトノダイヤモンドが仕掛けを待つ展開か。

その隊列で行けさえすれば、抜かりなくリハーサルを終えてくれるはず。むしろ、確認しておきたいのは馬場をはじめとしたコースコンディションだろう。サトノダイヤモンドは重賞で良馬場の経験しかなく、当日の馬場状態は気になるところ。シャンティイ競馬場では今週、2400mコースの中間点に当たる大厩舎前を中心に野豚が芝を掘り返し、至る所が穴だらけにされている。もちろん修復済みではあるが、当日の天候など、事と次第によっては脚を取られるケースも考えられる。良馬場でレースが行われたとしても、サトノダイヤモンドやサトノノブレスが巧く対応できるかが課題となるだろう。