歓喜の皐月賞制覇から1年余り。5戦未勝利と雌伏の時を送るアルアインが、復権を賭けて香港へ渡る。皐月賞では9番人気の伏兵評価だったものの、その前には毎日杯を好時計で制すなど4戦3勝の堂々たる戦績を築いていた。いわゆる人気の盲点になっていた形。その後は未勝利だが、日本ダービーで0秒3差の5着、明らかに距離が長かったうえ、極悪馬場に見舞われた菊花賞でも直線で見せ場を作って7着と崩れてはいない。前走の大阪杯3着をはじめ、セントライト記念と京都記念では連対しており、現状は少しだけ運が足りていない印象だ。

アルアインが皐月賞で負かした相手たちは、2着のペルシアンナイトと5着のレイデオロ、6着のスワーヴリチャードがその後にG1で勝ち。3着ダンビュライトと4着クリンチャーは今年になってG2を勝っている。ハイレベル世代という評価通りの活躍を見せているように、次の順番がいつアルアインに回ってきても不思議はない。今回は皐月賞や大阪杯と同じ右回りの2000mというベストの舞台設定。中山競馬場や阪神競馬場（内回り）より長いシャティン競馬場の直線で、アルアインの持ち味である一瞬の決め手をいかに発揮するかがポイントになるが、これまでの戦績通り上位争いに絡むのは間違いないだろう。