クイーンエリザベス2世カップ

Queen Elizabeth II Cup

2018/04/29(日)17時40分発走 ※発走日時は日本時間

シャティン競馬場

見どころ

C.デムーロ騎手とコンビを組むアルアイン。
C.デムーロ騎手とコンビを組むアルアイン。

アルアインとダンビュライト、主導権握るタイムワープに真っ向勝負を期待

当初の発表から3頭が回避し、昨年に続きレース史上最少の8頭(25日時点)で争われることになったクイーンエリザベス2世カップ(QE2C)。残った中でも地元の3頭は格下で、優勝争いは日本のアルアインとダンビュライトを含む5頭に絞られた感がある。

舞台となるシャティン競馬場の芝2000mは、ゲートから1コーナーまでの距離が短く外枠不利とされるが、少頭数で実力差も明確な相手関係であれば、枠順について神経質になる必要はない。力と力がぶつかり合う中で、一瞬に生じる勝機を見逃さなかった人馬が栄冠をつかむことになるだろう。

主導権を握るのは地元・香港のエースに成長したタイムワープだ。昨年暮れの香港カップでは展開を利す形で逃げ切りを決めたが、2月の香港ゴールドカップでは同じ逃げ切りでも弛みないペースを作っての快勝劇。シャティンの芝2000mで史上初めて2分を切る1分59秒97のレコードタイムを叩き出す圧巻のパフォーマンスを披露した。今回も対戦するパキスタンスター(4着)、ゴールドマウント(5着)、イーグルウェイ(6着)、ディノーゾ(7着)に影も踏ませておらず、とくに4馬身以上離されたゴールドマウントらでは実績からも逆転が難しいように思われる。

唯一、パキスタンスターは8か月ぶりの実戦だったこともあり、タイムワープと勝負づけが済んだとは言えないだろう。昨年のQE2Cでクビ差の2着という実績からも、争覇圏の力を秘めていることは間違いない。ただし、もともと追い込み型で取りこぼしが多いうえ、最近はレース中に止まろうとするなど気性が不安定。信頼性は著しく不足している。

そうした点では、同じ追い込み脚質でも今年の香港ダービー馬ピンハイスターの方が確実か。G1昇格後、同一年に香港ダービーとQE2Cの双方を制した馬は計4頭。2011年以降なら3頭と、近年は約2年に1頭のペースで勝ち負けに絡んでいる。相手が強化する分だけ捕らえ切れない不安はあるが、捌きやすい頭数になったのは歓迎だろう。

日本期待のアルアインとダンビュライトは、地元の強豪が前後に二分する展開を利したいところ。これまでの戦いぶりから、両馬ともタイムワープにつかず離れずの好位付近につけるはずで、絶好の展開に持ち込める可能性もある。香港カップでは日本のネオリアリズムがタイムワープに敗れたが、C.デムーロ騎手(アルアイン)とT.ベリー騎手(ダンビュライト)には、雪辱を果たしてもらいたい。