2連覇を狙う香港スプリントの舞台は、絶対王者の地位に再挑戦するための場となる。昨季は前哨戦のG2ジョッキークラブスプリントを完勝するなど、重賞連勝で香港スプリントに駒を進め、1番人気に応えてG1初制覇。ミスタースタニング時代の到来を高らかに宣言したはずだった。

しかし、1月のG1センテナリースプリントC、4月のG2スプリントCとG1チェアマンズスプリントプライズを3連敗。いずれも2着で、その着差もクビ、クビ、1/2馬身と、全勝していても不思議ではないほどの惜敗だったが、チェアマンズスプリントプライズで敗れたアイヴィクトリーに、勝利もろとも最優秀スプリンターの栄誉をさらわれてしまった。

今季からF.ロー厩舎に移籍して仕切り直し、始動戦のG2プレミアボウル3着、前走のジョッキークラブスプリント2着と前年に勝っているレースで新鋭ホットキングプローンに連敗を喫した。しかし、初戦は4.5kg重いハンデで1馬身1/4差、前走は2.5kg重い斤量で1/2馬身と着実に差を詰めている。ミスタースタニングにとって同じ斤量で戦える香港スプリントは、叩き3戦目の走り頃。相手関係が一段と厳しくなれば、先行する新鋭を背後からマークできる立場も有利だ。白星に見放されているとはいえ、ここ5戦は2着4回、3着1回と内容は堅実そのもので、連覇へ虎視眈々といったところか。