見どころ
強力地元勢に再び挑むファインニードル
近3年連続で上位を独占し、地元勢抜きには考えられない香港スプリント。前年の覇者ミスタースタニング、昨季の香港最優秀スプリンターのアイヴィクトリーが待ち受けるのをはじめ、これらを封じて重賞3連勝中の新鋭ホットキングプローンも加わり、その壁は厚く高い。
この3頭の他にも、昨年の香港スプリント2着から次戦でG1制覇を果たしたディービーピン、常に上位争いに加わっているビートザクロックも紙一重の実力の持ち主だ。レーティング5位までを地元勢が占めている上に甲乙つけ難く、この中から勝者が誕生する可能性は高い。
高松宮記念とスプリンターズSを制し、日本最強スプリンターの地位を固めたファインニードルは、レーティング116で英国のサーダンスアロットと並び6番手。春にはチェアマンズスプリントプライズに参戦し、勝ち馬のアイヴィクトリーから4馬身差の4着だったが、目下の充実ぶりは目を見張るものがある。高松宮記念はハナ差、スプリンターズSはクビ差とともに僅差での勝利だったが、スプリンターズSでは満を持しての仕掛けからねじ伏せる強さが際立つ一戦だった。
チェアマンズスプリントプライズでは直線で突き放されたものの、道中のスピードでは引けを取っていない。アイヴィクトリーから4馬身、2着ミスタースタニングから3馬身1/2、3着ビートザクロックからでも3馬身1/4差と上位3頭に差をつけられたが、半年余りの成長でもうひと押し利けば、好勝負も期待できる。
ファインニードルと同格のサーダンスアロットは、香港スプリントで過去に勝利がない欧州勢。調教師は1400mがベストと話しており、厳しいレースになるかもしれない。ただ、騎乗予定のG.モッセ騎手は香港国際競走で歴代最多の8勝を挙げており、全4レースを制している3騎手の1人でもある。香港を熟知するベテランの進言もあっての参戦で侮ることはできない。