香港カップ

Hong Kong Cup

2019/12/8(日) 17:15発走※出走日時は日本時間

シャティン競馬場

見どころ

4月のQE2Cで地元勢を退けて優勝したウインブライト。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

海外では混戦評価も、実績ではウインブライトが頭ひとつリード

アーモンドアイの香港カップ回避を受け、海外のブックメーカーでは上位拮抗の混戦という見方が大勢。しかし、近走を比較すればウインブライトが優位に立っている印象だ。

ウインブライトは4月のクイーンエリザベス2世カップ(QE2C)で地元のエグザルタントを2着、リスグラシューを3着に退けて優勝した。エグザルタントは香港Cの前哨戦に当たるジョッキークラブカップも快勝し、今や地元の中長距離路線で別格の存在。その実力馬が香港ヴァーズに回って不在となったうえ、ウインブライトはQE2Cでグロリアスフォーエバーやフローレ、ダークドリーム、タイムワープを寄せつけなかった。この事実ひとつ取っても地元勢に引けを取る要素はない。

もちろん、勝負は下駄を履くまで分らない。QE2Cから半年余りの時間を経てフローレが急成長を見せているうえ、ウインブライトとは未対戦のライズハイも、エグザルタントやビューティージェネレーションといった地元最強クラスと互角に渡り合って実績を築いてきた。それでも、8頭立てで枠順の影響を心配する必要もない今回なら、ウインブライトが勝利に最も近い存在と思われる。

昨年の覇者グロリアスフォーエバー。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

実力以外の要素が介在するケースなら展開となるが、昨年の覇者グロリアスフォーエバーと一昨年の覇者タイムワープの兄弟馬が曲者だ。全兄弟らしく勝ちパターンはともに逃げ・先行。しかし、オーナーも調教師も異なるため実戦では“兄弟げんか”が絶えない。昨年の香港Cは弟のグロリアスフォーエバーが内枠を利して逃げ切り、控えたタイムワープは3着で連覇を逃した。しかし、それ以降は顔を合わせるたびにタイムワープが譲らず、共倒れに終わる結果が続いている。この1年でタイムワープには4着以上が3回あるものの、いずれもグロリアスフォーエバーが不在だった。その一方で、昨年のように気分良く行ければ粘りも利くのがウインブライトには厄介だ。

アイルランドのマジックワンドも経験豊富で侮れないが、コックスプレートでリスグラシューに一蹴された。アイリッシュチャンピオンステークスではディアドラに先着したものの、ディアドラの追い出しが遅れた展開のアヤ。ゴール前の脚勢には歴然とした差があっただけに、日本の一線級と互角の域にあるかは疑問符がつく。欧州での実績がマジックワンドに及ばないエディサでは、なおのこと苦しいだろう。