香港マイル

Hong Kong Mile

2019/12/8(日) 16:35発走※出走日時は日本時間

シャティン競馬場

見どころ

3連覇を狙う王者ビューティージェネレーション。(Photo by Getty Images)

不沈艦ビューティージェネレーションに異変、日本勢に大きなチャンス到来

香港マイルは前2年に続き王者ビューティージェネレーションを巡る争いになるが、今年は少々様相が異なる。昨年までのビューティージェネレーションは文字通りに他馬を寄せつけない強さを誇っていたものの、近走は2連敗と絶対的な存在ではなくなってきた。

連戦連勝の昨季は先手を奪った時点で他馬はお手上げ。その威光をもってマイペースに持ち込むと、ゴールまでクルージング状態の圧勝劇を見せていたが、今季は前々走のシャティントロフィー、前走のジョッキークラブマイルとも序盤から絡まれて最後に失速している。ライバル陣営も手をこまねいているばかりではなく、攻略法を打ち出してきた。

この流れに王者がカウンターを当てられるかで戦況は大きく変わる。絡まれた前2戦は相手を意識し過ぎていた印象があるうえ、今回は重かった斤量もイーブンになる。前2戦(1600m)の四分割ラップは、スタートからゴールまで加速し続ける厳しい流れ。昨年の香港マイルは途中で1秒余りラップを落としており、この辺りを冷静に乗り切れば、あっさり勝つこともあるだろう。ただし、時計という観点では限界がある可能性も。1600mの持ち時計は1分32秒64だが、決着タイムが1分33秒17より速かった5戦では2勝3敗。そのうちの1勝も2着馬に1/2馬身差まで追い詰められている。

春秋マイル制覇で勢いに乗るインディチャンプ。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

これに対して時計勝負なら日本調教馬の十八番。目下のシャティン競馬場はレコードが次々と更新されるなど高速化が進んでおり、こうした馬場状態にビューティージェネレーションが苦しんでいるのならチャンスだ。日本から参戦する4頭はレーティングで王者に次ぐ順位(牝馬のノームコアは4ポンド増)。昨年もヴィブロスが2着に食い込んでおり、厚い層をもってすれば勝利を狙えるはずだ。

春秋マイル制覇で日本のマイル王となったインディチャンプをエース格に、持ち時計最速でレーティングが日本馬2番手のノームコアの上昇度も楽しみ。ペルシアンナイトとアドマイヤマーズは前走の敗戦からいかに巻き返すかだが、前者には4頭の中で唯一の遠征経験、後者は3歳馬で変わり身の余地がある。

地元の香港勢は最近13年で12勝しており、ビューティージェネレーション以外も手強い。前哨戦のジョッキークラブマイル勝ちなど、ここ2戦で王者に先着しているワイククはもちろん優勝候補の1頭。また、カーインスターも今季初戦の連敗から3戦目の前走で王者を逆転しており、勝利をさらっても不思議のない実力を秘めている。